こんにちは、東京・日本橋の鍼灸治療室クリスタ院長 かとうようこです。
今回は、【検査ほんと大事!!】
と、肝に銘じた事例をご紹介します。
病名をキメキメでいらした患者さん
かれこれ15年以上前のこと。
初診の患者さんが奥様に支えられながらいらっしゃいました。
まだ40代だったと記憶しています。
開口一番
「ぼくは線維筋痛症なんです」
とおっしゃいました。
線維筋痛症とは……
「線維筋痛症」とは、3ヶ月以上の長期にわたって、身体のあちこちの広い範囲に痛みが持続したり、再発したりします。痛み以外に、身体の強いこわばりとともに、激しい疲労感、不眠、頭痛やうつ気分、物忘れなど多彩な症状を伴います。病気の原因はまだよくわかっていませんが、最近では神経炎症と免疫系からの検討が行われていますが、確定的ではありません。通常、さまざまな検査を行っても、患者さんに共通した特徴的な異常がみられないことから、わが国では線維筋痛症の診断が遅れることがしばしばです。この病気は、命にかかわる病気ではありませんが、現在のところ線維筋痛症を完治させる治療法がなかなかないため、日常生活への影響が大きく、しばしば社会生活が著しく困難なることが大きな問題となっています。
出典:公益財団法人日本リウマチ財団「線維筋痛症」
「この半年、だんだん歩けなくなってきて、
ここ(クリスタ)なら治る気がして来ました」
「先生、来年お花見に行くことはできますか?」
施術開始早々、いろいろとお話が始まりました。
でもねーー、
彼のいう病名が、
実際のお身体の様子とマッチしていなくて
筋肉を触ったときに、
ものすごくイヤな予感がしたのです。
わたし「線維筋痛症の診断はいつされたのですか?」
患者さん「ネットで症状を検索したらぴったりだったんです!!」
わたし(ネットで検索……<心の声>)
「もしかして、一度も病院には行かれてないですか?」
患者さん「整形外科には行きました。けど、改善しないし湿布しか出されないので、線維筋痛症が得意だという整体に行ってます」
「整体の先生は『きっとよくなる』って言ってくれるのですが、足に力が入らなくなって……」
……!!
(……に込められた、そのときのわたしの気持ちを受け止めてほしい)
施術を進めれば進めるほど、
わたしの脳内アラームが鳴りっぱなしで……
まずいよ
まずいよ
ものすごくまずくね??
わたし「すぐに大きな病院に行ってくださいねー。今からでもいいです」
と、静かにお伝えしました。
即、病院に行ってもらった

わたしの言葉に、
患者さんはとてもがっかりされたご様子でした。
だって、
ここに来たらなんとかなるって思ったのに
病院に行け!!って言われたんですから。
でもね、
この患者さんのすごいところは、翌日病院に行ったんですよ。
その結果、即入院されたそうです。
翌日、奥様よりお礼の電話をいただき、
後日ご本人からも長文メールを頂戴しました。
その冒頭部分を、
記事のタイトルにしています。
「もう少しで命をおとすところでした!!」
歩けなくなった理由、それは腎臓

その患者さんの場合、
いろいろな症状は腎臓の機能低下からきていました。
すぐに透析準備が始まったそうです。
それくらい緊急性があったとのこと。
わたしの脳内アラーム、まちがってなかった。
しかしですよ!!
なんで今まで血液検査しなかった?
って、ほんとゾッとしました。
検査大事、数字も大事

数字、大事です。
検査、大事です。
だからうちでは、ちょっとでも不安がある場合、
かならず検査してもらってます。
無駄足になることも多いですが、
現在の自分の状況を知ることはできます。
「検査で問題なければ東洋医学」
と、いうのが合言葉でもある。
数値に問題はないけれど、不調が続く。
いわゆる不定愁訴には東洋医学がいい仕事しますから。
現代医学のよいところと東洋医学の優れたところ、
どちらもかしこく活用してくださいね。
