転倒って、ほんとうに怖いですよね。
お子さんの場合だと、頭や顔に負傷することが多いし、老齢だと大腿骨や骨盤を骨折する方もいたりして、転んでよいことは何もありません。
そこで今回は、「転ばない足づくり」についてお話していきましょう。
◎転びやすい理由とは?
◎「足裏アーチ」が未発達だと、転びやすくなるなど不具合が生じる
◎転ばない足をつくるためにやっておくべき4つの運動
簡単にできる運動の動画もありますので、今日からすぐ始められます。
お子さんはもちろん、大人のみなさんにもぜひ実践してほしいです。
転ばず元気に走ったり歩いたりできる足をつくっていきましょう!
子どもが転びやすい!その原因とは?

子どもが(ときには大人も)転びやすい理由は、いろいろ考えられます。
たとえば、
・子どもならではの特性(1〜2歳児の場合、頭が大きくバランスが取りにくい、安定しないなど)
・筋肉が未発達で弱い
・体幹が弱い
・靴が合っていない
・脳や神経の病気
・筋肉や骨の病気
・発達障害 など
乳幼児は頭が重く、からだのバランスが悪いので、どうしても転びやすくなります。
しかし、4歳以降も頻繁につまづいたり転んだりするなら気になりますね。
その場合は、何が原因かは、専門医などに相談してつきとめてもらう必要があるでしょう。
4歳以上で病気や障害ではないなら、筋力や体幹に問題があるのかもしれません。
中でも注意してほしいのは、「足裏アーチ」の未発達です。
「足裏アーチ」が未発達だと転びやすい、痛みが出るなどさまざまな不具合につながる

「足裏のアーチ」とは、以下の図のように、足裏が縦横にアーチ型になっている構造のことです。

このアーチが正しく発達していないと、足裏がひらべったい「扁平足」や、逆にアーチが高すぎる「ハイアーチ」になってしまいます。
そうなると、足に痛みが出たり、歩くと疲れやすかったり、さまざまな不具合が生じるのです。
転びやすくなるのも、その不具合のひとつ。
大地を踏みしめる足がしっかりしていないと、からだを支えきれずに転んだり、つまづいたりしやすいのです。
「うちの子、よくつまずきます」
「段差のないところでもしょっちゅう転びます」
というご相談は、かなり多いです。
こうしたお子さんの場合(大人もですが)、たいていは「足のアーチ」に問題があります。
感覚の統合(今度ていねいにご説明しますね)が進んで、体幹がしっかりすると転びにくくはなりますが、足の形そのものが悪いと、立ち歩きの際にかなりハンデになります。
足のアーチ構造が崩れる原因は、
・歩きかたの癖
・足の筋肉の発育がアンバランス
・足首の硬さ
などが代表的なものです。
(※合わない靴を履いていることが原因の場合もときどきあります。)
しかし、原因は違えど、最初にやるべきことは一緒。
それは、「足の形、特に足裏アーチを整えて転ばない足をつくるための4種類の筋トレ」です!
【動画つき】転ばない足をつくる4つの運動

ではここからは、転ばない足をつくる4つの運動をわかりやすくご紹介します。
お子さんはもちろん、大人でも「わたしも転びやすい」「扁平足(あるいは逆にハイアーチ)っぽい気がする」という方は、ぜひやってみてください。
文章ではちょっと伝わりづらそうなものには、動画もつけていますのでご参考に……!
【転ばない足をつくる4つの運動】
1)後ろ歩き
2)足裏プッシュ・その1
3)足裏プッシュ・その2(足裏の外側を鍛える)
4)足裏プッシュ・その3(足裏の内側を鍛える)
1)太ももの裏側と膝の前の筋肉を鍛える「後ろ歩き」
まずは、いちばん簡単なもの、「後ろ歩き」からご紹介します。
これはただ後ろ向きに歩くだけです。
この動作で太ももの裏側の筋肉と膝の前の筋肉を鍛えることができます。
幼児なら、30歩目安で行うとよいでしょう。
レベルをあげるなら、足先をあげてかかとで歩く「かかと後ろ歩き」もいいですね!
2)足裏アーチを整える「足裏プッシュ・その1」
ここからは、足裏アーチを育てる運動です。
まずは「足裏プッシュ・その1」。
お子さんの足裏と大人の手とで押しあいっこをします。
これは、足指の間の筋肉を育てて、しっかり大地を踏み込むための運動です。
動画がありますので、これを見てやってみてください。
「5秒×2回」を1日1セット行いましょう。
お風呂の中でもお休み前でも、時間帯はいつでも大丈夫。
こんな簡単な動作でも、足裏に力がつきます。
ポイントは、大人の手でしっかりとお子さんの足裏の真ん中を押さえることです。
動画内でもお伝えしていますが、大人は押すのと反対の手(動画の場合左手)でお子さんのかかとと足首をしっかりホールドしながら行うと、お互い力が入りやすくなります。
注意点としては、力み過ぎないこと。
お子さんがムキになっていたら、力を弱めるよう言葉がけをしましょう。
ちなみに力み過ぎのサインは、「お子さんが膝を曲げて押してきたら」です。
3)足裏アーチを整える「足裏プッシュ・その2(足裏の外側を鍛える)」
次は、同じ「足裏プッシュ」でも、小指側の筋肉を鍛えて、外側にコケにくい足をつくる運動です。
大人が手を当てる場所が外側に移るだけで、ポイントは「足裏プッシュ・その1」と同じです。
さっそく動画を見てください。
・ 大人は押さない方の手で、かかとと足首をしっかりホールドする
・ 力み過ぎない(お子さんが膝を曲げて押してきたら、声掛けする)
・ 「5秒×2回」を1日1セット
外側にコケる(足首を外側にカクっとやっちゃう)のは、大人の方でも多いですよね。
普段の生活に、ぜひこの運動を取り入れてみてください。
おひとりの場合は、壁の角や浴槽の中でやってみるといいでしょう。
捻挫予防にも最適なエクササイズだと思います。
4)足裏アーチを整える「足裏プッシュ・その3(足裏の内側を鍛える)」
最後に、足の内側を鍛える「足裏プッシュ」もやってみましょう。
足裏を押すときに、大人が手を当てる場所が親指側に変わるだけで、ポイントは「足裏プッシュ・その1」「その2」と同じです。
動画はこちらからどうぞ!
・ 大人は押さない方の手で、かかとと足首をしっかりホールドする
・ 力み過ぎない(お子さんが膝を曲げて押してきたら、声掛けする)
・「 5秒×2回」を1日1セット
これで、「転ばない足をつくる4つの運動」をすべてご紹介しました。
お子さん向けに書いていますがもちろん大人のみなさんもご一緒に!
特に、足の形を整えるには、足裏プッシュ3パターンは毎日やっておきましょう。
3か月ほどすると(もっと早いかも)、足の形が変わったことを実感できると思います。
この4つの運動で、足裏アーチをしっかりつくりましょう。
まとめ
いかがでしたか?
転ばない足づくりの方法、おわかりいただけたかと思います。
ではあらためて、この記事のポイントをおさらいしましょう。
◎転びやすい理由はさまざまだが、「足裏アーチ」が未発達だと、転びやすくなるなど不具合が生じる
◎転ばない足をつくるためにやっておくべき4つの運動は、
1)後ろ歩き
2)足裏プッシュ・その1
3)足裏プッシュ・その2(足裏の外側を鍛える)
4)足裏プッシュ・その3(足裏の内側を鍛える)
簡単な運動ですので、転ばない足を目指して、親子ともども一緒にたのしみながら毎日やってみてください!