こんにちは、鍼灸治療室クリスタ院長・かとうようこです。
あなたは尿酸値が高くて悩んでいませんか?
「健康診断で尿酸値が高かったけど、何が原因かわからない」
「尿酸値を下げたくて食生活を見直したのに、なかなか思うように下がらない」
そんなお困りごとがある方、その原因は「市販の顆粒だし」かもしれません。
そもそも和食のだしとしてよく使われる食材の中には、煮干しやかつお節など、プリン体を多く含むものがありますが、それらを複数組み合わせた顆粒だしは、意外なほどプリン体の含有量が多いのです。
実際に、わたしの鍼灸治療室クリスタに長年通っているベテラン患者さんでも、謎に尿酸値が高かったのに、顆粒だしをやめたらぐっと数値が下がったという例がありました。
東洋医学の視点からは、顆粒だしのかわりに昆布だしを使ってほしいところですが、「乾燥昆布をもどしてだしをとるのは面倒」という方には無添加だしパックもおすすめです。
この記事では、薬膳だしについて知っておいてほしいことをお伝えします。
◎尿酸値高めな人が「だし」に注意しなければならない理由
◎だしに使われる食材のプリン体含有量
◎【薬膳】東洋医学におけるだし食材の効果・効能
◎プリン体が少ないおすすめのだし
この記事でお話しすることを試してみて、あなたの尿酸値が下がりますようにと願っています!
尿酸値高めな人は「だし」に注意!その理由とは?

尿酸値が高い人は、痛風や腎障害などのリスクがあるので、みなさん食事には気をつけているでしょう。
特に、「プリン体」が多く含まれる食材、たとえばレバーや魚の干ものなどは、控えている方も多いと思います。
プリン体が体内で分解されて尿酸をつくる=尿酸値を上げる要因となるためです。
ただ、意外に見逃しがちなのが、和食の「だし」です。
だしによく使われる「煮干し」「かつお節」はプリン体を多く含む食材で、それらが使われている市販の「顆粒だし」も尿酸値を上げる要因になる可能性があるのです。
そもそも、だしの旨み成分であるイノシン酸、グアニル酸などにはプリン体が含まれています。
かつお節や煮干しの主な旨み成分はイノシン酸、干ししいたけの場合はグアニル酸なので、これらは尿酸値を上げる恐れがあると言えるでしょう。
だしに使われる食材のプリン体含有量

では、どんな「だし」にどれくらいのプリン体が含まれているのでしょうか?
主にだしとして使われる食材それぞれのプリン体含有量を一覧にまとめましたので、下の表を見てください。
【だしとして使われる食材のプリン体含有量】
食材 | 100gあたり(mg/100g) | 1回あたり(mg:1回量) |
---|---|---|
煮干し | 746.1 | 14.9:2g |
かつお節 | 493.3 | 4.9:1g |
干ししいたけ | 242.3 | 9.7:4g(2枚) |
昆布(乾燥) | 46.4 | 0.9:2g |
顆粒だし | 684.8 | 6.8:1g |
粉末コンソメ | 179.8 | 4.5:2.5g |
粉末中華スープ | 185.9 | 37.2:20g |
出典:日本ケミファ「高尿酸血症・痛風の総合情報サイト」食品中のプリン体含有量からラクニナ編集部が抜粋
こうしてみると、やはりイノシン酸とグアニル酸を多く含む「煮干し」、「かつお節」、そしてそれらからつくられた市販の「顆粒だし」にプリン体が多く含まれています。
反対に、だしの中でも格段にプリン体が少ないのは「昆布」です。
「尿酸値が下がらないんだけれど、理由がわからない」という人の中には、これらの「だし」が原因になっているケースもありますので、食生活を見直してみてください。
【薬膳】東洋医学におけるだし食材の効果・効能

ここまでは、西洋医学的な視点でだしについて考えてきました。
では東洋医学ではどうでしょうか?
同じくだしによく使われる食材が、東洋医学的にどんな役割を持っているかをまとめましたので、下の表を見てください。
【だしとして使われる食材の東洋医学的な効能・役割】
食材 | 効果・効能 | 期待される役割 |
---|---|---|
煮干し (いわし) | ・気血を補う ・肝腎の機能を高める | ・虚弱体質の改善 ・冷えの改善 ・老化予防 |
かつお節 (かつお) | ・気血を補う ・胃腸をあたため整える | ・便秘の改善 ・疲労回復 ・むくみ改善 |
干ししいたけ (しいたけ) | ・気を補う ・気血のめぐりを促す ・胃腸を整える ・皮膚に発疹させて悪いものを排出する | ・体力増強 ・消化促進 ・蕁麻疹や皮膚の炎症の改善 |
昆布 (乾燥) | ・からだの熱をさます ・気血のめぐりを促す ・塊をやわらかくほぐす | ・むくみ改善 ・便秘の改善 ・生活習慣病の改善 |
尿酸値を上げる恐れのある煮干しやかつお節ですが、薬膳ではからだを強くしたり胃腸を整えたりといったよい効果が期待できるという一面もあります。
では、尿酸値が気になる人は、どんなだしを使えばいいのでしょうか?
それは次章でお話しします!
尿酸値が高い人におすすめのだしとは

だしを使わないお料理というのは味気ないものですよね。
ですから尿酸値が高めの方には、「プリン体の少ないだし」をつかうことをおすすめします。
具体的には、
・昆布だしをつかう
・無添加のだしパックをつかう
という方法です。
くわしくご説明しましょう!
◎昆布だしをつかう
まずおすすめしたいのは、だし食材の中でもプリン体が少ない「昆布」でだしをとることです。
・水出し:乾燥昆布を水に長時間つける
・煮出し:乾燥昆布を短時間水につけてから、弱めの火加減で煮出す
どちらの方法でもかまいません。
手間をかけたくない人は、夜に麦茶ポットの中に水と乾燥昆布を入れて冷蔵庫でひと晩水出しして、翌日つかうといいでしょう。
ただ、甲状腺の数値に異常がある方は、昆布も控える必要がありますので、医師に相談してください。
◎無添加のだしパックをつかう
「水出しも面倒くさい!」という人や、「昆布のだしだけじゃなく、かつお節や煮干しの旨みも味わいたい」という人は、無添加のだしパックでもいいでしょう。
「無添加のだしパック」とは、かつお節やさば節などの「節」や煮干し、昆布などをパックに詰めて、そのまま煮出してつかう市販のだしです。
次章でご紹介しますが、実際に顆粒だしをだしパックに変えたところ、尿酸値が下がったという例がありましたので参考にしてください。
ただ、そもそも食事によって尿酸値が上昇する影響はわずかだという研究結果も出ているそうです。(参照:ケアネット「尿酸値上昇、食事の影響はわずか/BMJ」)
ちなみにわたしがだしパックをおすすめする理由には、顆粒だしは素材本来の風味や香りが弱い場合がある、ということもあります。
だしパックや自分でとる出汁に比べると、深みのある味わいに欠けることもありますし、添加物や塩分などが気になるので、尿酸値に限らず健康が気になる方は、試しに顆粒だしをやめてみることをおすすめします。
つまり、結論としては、
・「顆粒だし」ではなく「無添加のだしパック」に変える
・昆布中心のだしパックを選ぶ
(ただし、甲状腺の数値に異常のある方は昆布NG)
・だしパックの中身は食べない
という方法であれば、プリン体を抑えつつラクにだしをとることができるでしょう。
【事例】顆粒だしをやめたら尿酸値が下がった!

では、わたしが院長をしている「鍼灸治療室クリスタ」のベテラン患者・Aさんのお話を紹介します。
Aさんは尿酸値が高かったので、食生活には気をつけていました。
お酒も飲まず外食もほぼせず、いわゆるプリン体の多い食品は極力排除して自炊を続けていたのです。
それなのに、病院で検査すると、なぜか下がらない尿酸値。
そこで、施術中にあらためてふたりで食生活を見直してみたんです。
で、出た結論が「かつお顆粒だし」でした。
それをやめてみたところ、あら不思議!尿酸値がめきめき下がったのです!!!(8.5mg/dL→7mg/dL)
ただ、Aさんいわく、
「いや、びっくりしました。でも味噌汁どうしたらいいんですかね」
「出汁をどうやってとったらいいかわからないです」
とのこと。
そこで、
「うちはぬめりとか全然気にしないので、煮干しと昆布を放り込んで出汁をとっているけど、あなたの場合は煮干しはおすすめできないから、とりあえず八木長さんの無添加だしパックを買って帰ってみて」
とアドバイスしました。
その結果、尿酸値が下がったままでだしを楽しめているそうです。
この事例の教訓は、「食事はからだに出る」ということ。
食べものを変えることで、からだの調子は変わります。
尿酸値が下がらなくて困っているあなたも、ぜひ一度「だし」を変えてみてください!
まとめ
今回は、だしと尿酸値=プリン体について考えてみましたが、いかがでしたか?
「試してみよう!」と思っていただけたらうれしいです。
ではもう一度、要点をまとめておきましょう。
◎煮干し、かつお節、顆粒だしはプリン体が多く含まれる
◎尿酸値が気になる人は、「昆布だし」か「無添加のだしパック」をつかう
これであなたもAさんのように、尿酸値を下げられますように願っています。
何かあれば、いつでもわたしにご相談ください!
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