【薬膳レシピ】「老眼」を改善しよう!原因と8つの改善・予防法を紹介

こんにちは、東京・日本橋の「鍼灸治療室クリスタ」院長 かとうようこです。

「最近急に老眼が進んだ気がする」
「本や新聞を読もうとしても、目のピントが合いづらい」

そんな悩みを持っている方、多いですよね。

老眼は、「目の老化現象」です。
ものを見るためのピント調節機能が加齢とともに衰えて、近くのものが見えにくくなったり、目が疲れやすくなったりします。

また東洋医学では、「目の栄養不足」が老眼を進行させる原因とも考えられています。
そのため老眼の改善や予防を目指すには、食生活の改善をはじめ、以下のような対処法がおすすめです。

老眼の対処法をまとめた表

この記事では、老眼に悩むあなたに向けて、以下のようなことをわかりやすく説明します。

◎「老眼」とは
◎老眼の症状
◎「スマホ老眼」とは
◎老眼が起こるしくみ
◎東洋医学からみた老眼を加速させる原因
◎【薬膳レシピあり】老眼の進行をおさえて改善する8つの方法

老眼について、知っておきたいことをまとめました。
最後まで読めば、きっとあなたも明日から老眼対策に気軽に取り組めるはずです!

【目次】

1.「老眼」とは

そもそも「老眼」とはどんなものでしょうか?
わかりやすく説明しましょう。

1-1.「老眼」とは?

「老眼」とは、ひと言で言えば「目の老化現象」です。

人はものを見るときに、目のピントを調節していますが、年をとるとこの調節機能が衰えて、ピントが合わせにくくなります。
そのため、「本や新聞の字がぼやけて見える」「暗い場所だとなかなか目が慣れない」などの不具合が生じるようになり、これを「老眼」と呼んでいるのです。
(この仕組みについては、2.老眼になる原因でさらにくわしく説明します。)

老眼は老化の一種であって、病気ではありません。
一般的に、40代半ばごろから自覚症状が出始める人が多いものですが、中には30代から始まる人もいます。
「老眼は老人がなるもの」とは言い切れませんので、みなさん注意してください。

1-2.「老眼」の症状

では、老眼になるとどんな症状が出るのでしょうか?
主なものは以下です。

・手元など近い場所が見えにくい、ピントが合わせづらい
 →距離を離すとピントが合って見えるようになる
・細かい文字が読めない
・薄暗い場所だと見えにくい
・目が疲れやすい
・目を使う作業や読書などを長時間続けると見えにくくなる
・目を使うと目の奥に痛みを感じたり、頭痛やだるさが生じたりする  など

中でも多くの人が最初に感じるのは、「近くの文字が見えにくい」という症状でしょう。
これが始まったら、老眼を自覚して改善に努めてください。

1-3.「スマホ老眼」にも要注意

老眼の中でも、最近よく耳にするようになったのが「スマホ老眼」です。
スマートフォンの画面を見すぎることによって、手元にピントが合いにくくなる現象で、以下のような症状が該当します。

・スマホの小さい文字が見えにくくなる
 →スマホを離すと見える
・スマホを見たあと遠くを見るとぼやける
・スマホを片方の目で見ていることがある
・スマホを見ていると目が乾きやすくショボショボする   など

実は「スマホ老眼」は、前述した一般的な「老眼」とは異なります。
本来の老眼は加齢によって起こりますが、スマホ老眼は目の使いすぎによって「老眼に似た症状」が出るものです。

そのため年齢にかかわらず発症し、中には10代、20代でなる人もいます。
ただ、老眼のように慢性的なものではなく、一過性のものなので、しばらく目を休ませればまた見えるようになるでしょう。

2.老眼になる原因

1章では老眼の原因を、「老化によって目のピントが合いにくくなるため」と言いました。
ここでそのしくみについて、もう少しくわしく説明しておきましょう。

※「しくみは別に知らなくてもいい、改善方法が知りたい!」という人は、この章はスキップして3.老眼の進行をおさえて改善する8つの方法を読んでください!

2-1.老眼が起こるしくみ

前述したように、人はものを見るときに、目のピントを調節しています。

具体的にいうと、カメラのレンズの役割をする「水晶体」の厚みを、「毛様体筋」という筋肉で厚くしたり薄くしたりすることで、見たいものに焦点を合わせてくっきり見えるようになるのです。

目が見える仕組みの図

ですが、年をとってからだが老化すると、毛様体筋の力も衰えますし、水晶体は硬くなって厚みの調節がしにくくなってきます。
そのため、ものを見るときにピントが合わなくなってしまい、この現象を「老眼」と呼んでいるというわけです。

2-2.東洋医学からみた老眼を加速させる原因

このような目の老化にくわえて、東洋医学では「目の栄養不足」が老眼を加速させるとされています

どういうことか、わかりやすく説明します。

東洋医学では、「血」が目を滋養することで、はじめてよく見えるようになると考えます。
なので、食生活が乱れたり、全身の血流が悪くなると、目にしっかり栄養が行かなくなり、以下のような症状が起こります。

・疲れ目
・目のけいれん

・ドライアイ
・かすみ目や視力の低下

・夜盲症(暗闇で視力が著しく低下する)

そしてこれらの症状が、老眼を加速させる大きな原因になると考えるのです。

逆にいえば、目が栄養不足にならないように気をつけることで、その進行をゆるやかにすることはできます。
これについては、3.老眼の進行をおさえて改善する8つの方法で具体的な方法や薬膳レシピをご紹介しますので、ぜひ実践してみてください!

3.【薬膳レシピあり】老眼の進行をおさえて改善する8つの方法

このように、老化によって起こる老眼ですが、治療や改善、予防をするにはどうすればいいのでしょうか?
まとめましたので以下の表を見てください。

老眼の改善・予防方法をまとめた表

老眼を正常に見えるようにするには、メガネやコンタクトレンズといったものに頼るか、眼科で手術を受ける必要があります。

ただ、日常生活の中で食生活を変えたり、エクササイズを取り入れたりすることで、老眼の改善、または進行を遅らせることはできます。
また、それらの対処法は、「まだ老眼ではないけれど、今から予防したい」という人にも有効です。

そこでこの記事では、「改善・進行を遅らせる・予防」に役立つ方法をわかりやすくお伝えしましょう。

3-1.目のまわりを動かしてほぐす

まず、日常的に目のまわりを動かして筋肉をほぐしましょう。
老眼に有効なエクササイズはいろいろありますが、ここでは2種紹介します。

・目を上下左右に動かすストレッチ
・遠くと近くを交互に見るトレーニング

3-1-1.目を上下左右に動かすストレッチ

老眼の原因のひとつは、目のピントを調節する「毛様体筋」が衰えることでした。
そこで目の筋肉をストレッチでほぐして動きやすくしましょう。

【目を上下左右に動かすストレッチ】

目線を「右上(3秒)→左上(3秒)」、「右下(3秒)→左下(3秒)」、「右横(3秒)→左横(3秒)」、「上(3秒)→下(3秒)」と動かします。

それぞれ3秒ずつ止めるのがポイントです。

目のストレッチ方法を示した図

3-1-2.遠くと近くを交互に見るトレーニング

また、ピントを合わせるトレーニングとして、遠くと近くを交互に見るトレーニングも有効です。

【遠くと近くを交互に見る】

まず片方の腕をまっすぐ伸ばして親指を立て、親指の先を2秒見つめます。
次にその視線の数m先の遠くを同じく2秒見つめます。
この「指先(2秒)→遠く(2秒)」を5回繰り返します。

遠くと近くを交互に見るトレーニングのやり方を示した図

3-2.ツボ押し・あたため

前述したように、老眼は疲れ目によって進行する恐れがあります。
そこで、目の疲れをとるツボを刺激したりあたためたりするとよいでしょう。

3-2-1.ツボ押し

疲れ目回復におすすめのツボは「承泣(しょうきゅう)」「晴明(せいめい)」です。
それぞれ指の腹で5秒ほど、痛くない程度に押してください

疲れ目に効果のあるツボ「承泣(しょうきゅう)」と「晴明(せいめい)」の位置を示す図

3-2-2.目をあたためる

また、目のまわりをあたためると血行がよくなり、目に必要な栄養が届きやすくなります。
方法としては、以下のようなものがあります。

・濡らしたタオルをレンチンして目を覆うように5分程度おいておく
・市販のホットアイマスクを使う

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3-3.【薬膳レシピ】食事の改善

「2-2.東洋医学からみた老眼を加速させる原因」で説明したように、老眼は目の栄養不足によって進行する恐れがあります。
そのため、老眼の改善、予防のためには、毎日の食事にも気を配ることが必要です。

目にいいサプリメントなどもありますが、わたしがおすすめしたいのは東洋医学にもとづいた食材・食事です。

・クコの実を食べる
・赤黒い食材を取り入れる

3-3-1.クコの実を食べる

目にいい食材の代表格といえば「クコの実」です。
ナス科の植物「クコ」の果実で、目を光刺激から守り粘膜の潤いにもよい働きをする「ゼアキサンチン」という成分を多く含んでいます。
そのため、「飲む目薬」とも呼ばれているほどです。

食用としては、乾燥させたものがよく使われます。
杏仁豆腐の上に乗っている赤い実といえばわかりやすいでしょう。

クコの実(乾燥)
クコの実がのった杏仁豆腐

クコの実は、そのまま食べてもいいですし、お料理やスイーツに取り入れてもOKです。
レーズンのように使ってみてください。

1日10g(=大さじ2杯程度)〜30gほどを食べるのが適量と言われていますが、いきなりたくさん食べるのは大変でしょう。
最初は1日大さじ1杯から始めてみるのがおすすめです。
胃が弱い人や、冷え症の人は1日小さじ1杯くらいが無難だと思います。

クコの実を簡単にとれるレシピをいくつかご紹介しますので、いろいろ試してみてください。


【クコの実の簡単レシピ】

・クコの実ワイン
 →ワインにクコの実を入れる。
  ホットでもアイスでもOK!

・クコの実入りスープ
 →お好みのスープにクコの実を加える。

・クコの実入り炒め物
 →豚肉や鶏肉とよく合うので、お好みの野菜と一緒に炒める。

・クコの実ヨーグルト
 →いつものヨーグルトにクコの実をトッピング。

・クコの実ホットケーキ
 →ホットケーキの生地に混ぜ込んで焼く。

・クコの実入り茶
 →いつも飲んでいるお茶にクコの実を浮かべて一緒に飲む。

3-3-2.赤黒い食材を取り入れる

東洋医学では、目の状態を改善するためには「血」と「腎」のケアが大切です。
そして、赤い食材は「血」を補い、黒い食材は「腎」を補うと言われています。

そのため、薬膳で老眼対策をするときには、赤黒い食材がよく使われるのです。

東洋医学の五行・五性・五味を表した図

赤黒い食材といえば、フルーツに多く見受けられます。
前出のクコの実もそうでしょう。

クコの実(生)

それ以外にも、以下のようなフルーツが該当します。

・ブルーベリー
・クランベリー
・レーズン
・カシス    など

生で食べたりお料理に取り入れたりするよりも、おすすめなのはドライフルーツです。
保存期間も長く、持ち歩きもできて、好きなときにちょこちょこ食べることができます。

老眼の改善・予防のために、これらのドライフルーツを冷蔵庫やバッグに常備して、すき間時間に食べる習慣をつけましょう。

3-4.生活習慣の改善

生活習慣も、老眼に関わります。

特に大事なのは、以下の2点です。

・質の高い睡眠をとる
・紫外線やブルーライトから目を守る

3-4-1.質の高い睡眠をとる

人間のからだは、日中の活動で蓄積した疲れや心身のダメージを、睡眠中に回復します。
そのため睡眠が不足していたり眠りが浅かったりすると、十分に回復することができません。

目も同様です。
疲れやダメージをため込むと、老眼の進行につながる恐れがあります。

からだに合った寝具を選んだり、リラックスして眠れるように部屋の環境を整えたりして、睡眠の質を上げていきましょう。

3-4-2.紫外線やブルーライトから目を守る

紫外線やブルーライトも、目に疲れとダメージを与える原因です。
日頃からこれらをなるべく避けるよう、心がけましょう。

具体的には以下のような対策が有効です。

・ブルーライトを放出するパソコンやスマホを使う時間をなるべく減らす
・パソコンやスマホの画面にブルーライトカットフィルムを貼る
・パソコンやスマホを使うときには、ブルーライトカットメガネをかける
・外出時には、紫外線(UV)カット機能を備えたメガネやサングラスをかける

まとめ:老眼は食事や生活習慣で改善・予防を目指そう!

今回は、老眼について東洋医学の視点をまじえて考えてみました。
ではもう一度、要点をまとめてみましょう。

◎老眼は、加齢によって目のピントが合わせづらくなる老化現象
◎東洋医学では、「目の栄養不足」が老眼を加速させると考えられている
◎老眼を予防・改善するには、以下の方法がおすすめ

老眼の対処法をまとめた表

ここで紹介したのは、簡単にできる老眼の改善・予防策ばかりです。
みなさんもぜひ毎日の習慣に取り入れて、いつまでもよく見える目を保ちましょう!

かとうようこ先生の愛猫(目の癒しに)
(かとう家のにゃんず写真で、疲れた目を癒してください😊)