こんにちは、鍼灸治療室クリスタ院長のかとうようこです。
「薬膳のおかゆがからだにいいと聞いたけれど、どうやってつくるの?」
「薬膳でダイエットってできる?」
最近は薬膳に興味を持って、そんな疑問を抱いている方も多いようですね。
たしかにおかゆは、古来から「粥有十利(しゅうゆうじり)」といわれ、10の効能があるとされています。
【粥有十利】 1)色:顔色や肌の色つやがよくなる 2)力:気力・体力が増す 3)寿:寿命がのびる 4)楽:食べ過ぎず、からだが楽になる 5)詞清辯:血流がよくなって頭もよく働き、言葉が清くさわやかになる 6)宿食除:消化がよく胸やけしない 7)風除:風邪をひかなくなる 8)飢消:飢えが満たされる 9)渇消:のどのかわきを潤す 10)大小便調適:便通がよくなる |
また、ダイエット効果も期待できます。
実際に、わたしの「薬膳粥でデトックス」講座や「本気の薬膳ダイエット」講座に参加した方からは、薬膳がゆを食べることで体調がよくなったり、体重が減ったりといったご報告をたくさんいただきました。
そこでこの記事では、薬膳がゆの効能やレシピをわかりやすくお伝えします。
◎薬膳がゆとは?
◎薬膳がゆの効能
◎薬膳がゆのレシピ
◎薬膳がゆで体調がよくなった&やせた!体験談
この記事を読めば、薬膳がゆについて知りたいことがわかるでしょう。
あなたもきっと、簡単・手軽に薬膳がゆ生活を始められるはずです!
薬膳がゆとは?

薬膳がゆとは、おかゆに薬膳の考え方を取り入れたものです。
薬膳では、中医学=中国伝統医学の理論にもとづいて、食物がそれぞれにもっている薬理作用を食事にいかします。
そして一人ひとりの体質や体調、季節に合わせて、そのときどきで最適な食事をとることで、からだを整えて病気や老化を予防するわけです。
つまり薬膳がゆも、シンプルなおかゆにさまざまな食材を組み合わせることで、「胃腸を整えたい」「冷えたからだを温めたい」「むくみをとりたい」といった不調の改善が期待できるのです。
薬膳がゆの効能

薬膳がゆの効能は、シンプルなおかゆにどの食材を組み合わせるかで変わってきます。
まず、シンプルなおかゆ自体も、からだによいとされています。
禅宗では古来から、おかゆには「粥有十利(しゅうゆうじり)」という10の効能があると言われてきました。
【粥有十利】 1)色:顔色や肌の色つやがよくなる 2)力:気力・体力が増す 3)寿:寿命がのびる 4)楽:食べ過ぎず、からだが楽になる 5)詞清辯:血流がよくなって頭もよく働き、言葉が清くさわやかになる 6)宿食除:消化がよく胸やけしない 7)風除:風邪をひかなくなる 8)飢消:飢えが満たされる 9)渇消:のどのかわきを潤す 10)大小便調適:便通がよくなる |
おかゆは普通のごはんよりも水分が多いため、胃腸への負担が少なく消化しやすいのが特徴です。
まだ、水分が多いということは、同量のごはんよりもお米の量が少ない=カロリーが低いということでもありますので、ダイエット効果も期待できます。
このように、シンプルなおかゆだけでもたくさん利点がありますが、そこにさまざまな食材を加えることで、薬膳としての効能が加わります。
薬膳がゆの例をいくつかあげてみましょう。
・山芋をトッピング:疲労回復、乾燥の改善など
・梅干しをトッピング:解毒、下痢止め、咳の改善など
・なつめをトッピング:貧血予防、ストレス緩和など
また、ダイエット目的の場合は、ごはんをシンプルなおかゆに置き換えるだけでもいいでしょう。
前述したように、おなかが満たされる量を食べてもごはんより低カロリーですので、ダイエット効果が期待できます。
薬膳がゆのレシピ

では、いよいよ薬膳がゆのレシピについて説明しましょう。
この記事では、からだをあたためて冷えをとる、基本的な薬膳がゆをご紹介します。
簡単ですので、ぜひつくってみてください!
【冷えをとる基本の薬膳がゆ】 <材料> ・お米:1/2合 ・水:600~800ml(お好みで加減してください) ・ショウガ:スライス2枚(皮ごと/量はお好みで加減してください) ・大葉:3枚(同じくお好みで) ・塩:お好みで ・こしょう:お好みで(多めがおすすめです) <つくり方> 1)ショウガをスライスし、大葉は細切りにする 2)鍋にお米と水を入れ、30分ほどコトコト煮る 3)やわらかく煮えたら、火を止める直前にショウガと大葉を投入、ふたをして5分ほど蒸らす 4)塩こしょうで味を整える ※お米は炊く前に浸水してもしなくても結構です。 |
このおかゆで期待できる効能は、以下の通りです。
食材 | 期待できる効能 |
---|---|
ショウガ | ・からだをあたためる ・血や潤いのめぐりをよくする ・免疫力を高める ・胃腸の働きをたすける |
大葉 | ・からだをあたためる(特におなか) ・解毒 ・冷えによる胃腸の不調、吐き気を改善する |
こしょう | ・からだをあたためる(特に胃) ・冷えによる下痢を止める |
このおかゆに、さらにほかの食材をお好みでトッピングしてもいいでしょう。
自分の体調にあわせていろいろ試してみてください!
薬膳がゆの食べ方・食べる頻度

「薬膳がゆのつくり方はわかったけれど、いつ、どれくらい食べればいいの?」
という方もいるかと思います。
薬膳がゆの食べ方・食べる頻度は、
・体調を整える場合:1日1回の食事で、ごはんを薬膳がゆに置き換える
おかずなどは普通に食べてOK
・体調を崩してしまった場合:回復するまでごはんを薬膳がゆに置き換える
おかずなどは控えめに
・デトックスしたい場合:丸1日、3食を薬膳がゆのみにする
・ダイエットしたい場合:毎日の夕食で、ごはんを薬膳がゆに置き換えす
おかずなどは少し控えめに
(好きなものは食べてOK!)
というのがおすすめです。
ただ、注意してほしいのは「玄米がゆにしないこと」です。
玄米は、精米したお米よりも消化に時間がかかるため、胃腸が弱っている人や年配の人には向きません。
胃腸が丈夫で、これまで玄米を食べてからだに不調がなかった人が、「ダイエットのために食物繊維をたくさんとりたい」というのであれば、玄米でも結構ですが、それ以外の皆さんは白米でつくりましょう。
薬膳がゆで体調がよくなった&やせた!体験談

さて、わたしはこれまで「薬膳粥でデトックス」や「本気の薬膳ダイエット」といった講座を開催してきました。
その中で、実際に「体調がよくなった!」「やせた!」というご報告をたくさん受けています。
そこで、実際に薬膳がゆを日々のお食事に取り入れた方の体験談をひとつご紹介しておきましょう。
「これから試してみようかな」という方は、ぜひ参考にしてください!
◎整理収納アドバイザー・武藤明美さんの例
1日1回おかゆを食べる生活を続けた結果、1年間でなんと18.5kgものダイエットに成功されました。
その体験はブログにくわしく書かれていますので、記事から抜粋してご紹介します。
一年前の私は 体重が1年間で…18.5キロも減るとは思っていなかった 昨年の春の私に、声をかけたい。 「あきらめなくてよかったねーーーー!」 本当に、元に戻れて嬉しい日々を過ごすきっかけとなったこの企画!! 『春の薬膳デトックス』 約1年前の2024年春。 かとうよう子先生の『薬膳粥でデトックスの会』に参加しました!!春のカラダに衣替えできるかな?に参加したことでした。 「春のカラダに衣替えできるかな?」と思いながら参加して、 1日で体重は1キロ減! 1キロくらいの増減は日常でもありますが、 このときは胃腸がスッキリした実感があり、自主的に「1日1回くらいお粥を食べる」生活を続けるようになりました。 冒頭でふれましたが、その後の劇的な変化については、こちらの記事からご覧ください。 恐るべし、右肩下がりの体重(笑) 今年も開催してくださった『春の薬膳デトックス』はこの投稿から始まりました! たまたまXの投稿で流れてきた、お粥研究家鈴木かゆさんの投稿 かとうさんの『本気の薬膳ダイエット』でチャレンジした梅流し!「お粥と一緒になるなんて、食べてみたいに決まってる!」と思い、自主的に食べてみようと思っていたんです。 投稿後、鈴木かゆさんご本人からお返事いただいて喜び~♡(ありがとうございました♡ この投稿を見た夜には、かとうさんの告知記事が出来上がっていて、このスピード感がありがたいです! かとうさんが企画してくださったことで、やる気アップ!! そして、参加者の皆さんと楽しめることがホントいいんですよね。 参加前、かとうさんからレシピと共にこんなメッセージが 今期は鈴木かゆせんせいの梅流し粥を用いて、ためこみ身体をデトックスしていきたいと思います。 この梅流し粥は、梅干しの持つ豊富な栄養素と消化を助ける効果によって、体内の余分なものを排出し、健康的な状態を促進します。 4月19日〜21日の間で、ご都合の良い日を選んで梅流し粥を召し上がってください。 お通じの回数が増える可能性がありますので、その点も考慮して予定を調整してください。 1日1回でも3食全部梅流し粥でも!回数はお任せいたします。 (参考までにわたしは朝昼の2回を予定しています。) デトックス粥を食べて、皆で軽やかな身体を目指しましょう! …ということで、最終日21日参加しました! いつもお粥を作るときは、超適当ですが、 この日は、かとうさんから送っていただいた、鈴木かゆさんのレシピ通りに作ってみました 少し前に、お粥を土鍋で作るやり方を教えてもらったことが今回良かった♡ 完成でーす! かゆさんは三つ葉を乗せていたんですが、我が家にはなかったので、刻んだセロリを彩りでトッピング 大根を角切りにしたことで、食べ応えのあるお粥になりました♡ 朝と、昼で2回に分けていただきました。 梅流しほどではありませんが、腸が動き出したことがハッキリわかって、無事デトックスされたみたい♡ 美味しすぎたので、私のお粥レシピに追加します!! かとうさん、この度も本当にありがとうございました! (武藤明美さまのブログより抜粋させていただきました) |
まとめ
今回は、薬膳がゆについてくわしく説明しました。
ではあらためて、内容をまとめておきましょう。
・薬膳がゆとは、おかゆに薬膳の考え方を取り入れたもの
・薬膳がゆは、おかゆ自体にさまざまな効能が期待できる上に、体質や体調、季節に合わせた食材を加えることで、からだを整えたりダイエットしたりすることが可能
・ただし、玄米がゆは消化に時間がかかるので要注意
これを踏まえて、あなたもぜひ薬膳がゆで健康な毎日を過ごしてください!