【足がつる】こむらがえりの原因は?東洋医学で見るタイプ別対処法と予防法

こんにちは、東京日本橋にある鍼灸治療室クリスタ 院長のかとうようこです。

「夜中にふくらはぎがつってすごく痛いことがあるんだけれど、あれは何?」
「こむらがえりになりやすいので、予防法や対処法が知りたい」

この記事を読んでいるあなたは、そんな疑問をもっていることでしょう。

ふくらはぎなどの筋肉が強い痛みをともなってつったり痙攣したりする状態を「こむらがえり」と呼びます。
就寝中に突然痛みに襲われて、長時間もだえ苦しんだ経験のある人も多いと思います。

この「こむらがえり」の原因はひとつではなく、以下のようなものが考えられます。

【西洋医学的な原因】

 ・ミネラルバランスの崩れ(主にマグネシウムとカルシウム)
 ・ビタミン不足(主にビタミンB・E)
 ・水分不足
 ・血行不良
 ・末梢神経の過剰興奮

【東洋医学的な原因】

 ・「肝」のはたらきが悪い
  → 血の流れがとどこおる「肝血お滞」、血が不足する「肝血虚」になる
  → 筋肉が十分に栄養を得ることができずに痙攣を起こす

これを予防するには、以下の7つの方法が効果的です。

【こむらがえりの予防法7つ】

 ・ミネラルを補給する
 ・ビタミンを補給する
 ・水分を補給する
 ・冷えを防ぐ
 ・運動するときにはウオーミングアップとクールダウンを心掛ける
 ・足底の「アーチ」を鍛える
 ・漢方の力を借りる

また、もしこむらがえりになってしまったときには、以下のような方法で痛みがなくなる可能性がありますので試してみてください。

【こむらがえりになったときの対処法】

 ・さすりながらストレッチする
 ・ツボを押す、お灸をする

この記事では、つらい「こむらがえり」について、原因から対処法までわかりやすく説明します。

◎「こむらがえり」とは?
◎こむらがえりの原因とは
◎こむらがえりの予防法
◎こむらがえりになったときの対処法

最後まで読めば、今すぐ何をすればいいのかがわかるでしょう。
この記事で、あなたがこむらがえりに悩まされることなく、安眠できるようになることを願っています。

【目次】

1.「こむらがえり」とその原因とは

夜中に突然足がつる「こむらがえり」、経験したことのある方も多いでしょう。
こむらがえりとは何なのでしょうか?
その原因とは?

まずはそんな疑問から解きほぐしていきましょう。

1-1.「こむらがえり」とは?

「こむらがえり」とは、筋肉が「つった」状態を指す言葉です。
医学用語では「有痛性強直性筋痙攣」と言います。
つまり、痛みを伴って筋肉がひきつり、痙攣している状態です。

特にふくらはぎ=「腓(こむら)」に起こりやすいので、「こむらがえり」と呼ばれていますが、足の裏や背中、腕など、どの筋肉でも起こる可能性があります。
ときにはのどのあたりの筋肉がつることもあり、そうなるとと唾液ものむのも激痛です。

睡眠中の夜間や明け方に起こることが多いものですが、中でも以下のような状態のときに起こりやすいといえます。

【こむらがえりが起こりやすい状態】

・からだが冷えたとき
・筋肉が疲労しているとき
・汗を大量にかいたとき
・激しい下痢や嘔吐をしたとき
・お酒を飲み過ぎたとき
・妊娠中
・糖尿病、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、肝臓疾患などがあるとき
・脊柱管狭窄症、動脈硬化症、静脈瘤などがあるとき

1-2.西洋医学的にみたこむらがえりの原因とは

こむらがえりになる原因は、複数考えられます。

・ミネラルバランスの崩れ(主にマグネシウムとカルシウム)
・ビタミン不足(主にビタミンB・E)
・水分不足
・血行不良
・末梢神経の過剰興奮

たとえばミネラルは、筋肉の収縮・弛緩をスムーズにする役割をもっていますが、汗をたくさんかいたり、水分をあまりとらなかったりすると、体内のミネラルバランスが崩れてしまいます。
すると緊張した筋肉をうまくゆるめられなくなり、こむらがえりを起こすわけです。

また、からだが冷えたりすると血行が悪くなり、筋肉に十分な栄養や酸素がいきわたらなくなります。
その結果、こむらがえりにつながることもあります。

このように、こむらがえりの原因はひとつに限ったものではなく、ときにはいくつかの条件が重なって起きることもあるのです。

1-3.東洋医学的にみたこむらがえりの原因とは

一方、東洋医学ではこむらがえりを以下のようにとらえます。

・筋肉がひきつって痙攣する → 「気」や栄養をからだにめぐらせる「肝」と関係が深い
・痛みを伴う → 「血」の巡りが妨げられている(不通則痛)か、血が不足している(不栄則痛)

つまり、血の流れが滞ったり(肝血お滞)、血が不足したり(肝血虚)することで、筋肉が十分に栄養を得ることができずに痙攣を起こす、と考えられているのです。

ちなみに、前述した西洋医学的な原因についても、東洋医学の視点では「血や津液(体のうるおい)」の問題として説明できます。

・ミネラル・ビタミン不足 → 血の不足
・水分不足 → 津液不足(血と深い関係)
・血行不良 → 血虚や血おの影響
・神経の過剰反応 → 肝の働きの乱れ(疏泄失調)

2.【東洋医学】こむらがえりの予防法

では、東洋医学の視点から、こむらがえりにならないように予防するにはどうすればいいのでしょうか?
それは、前述した原因となる状態を起こさないことです。

具体的な予防法は、以下の7つです。

・ミネラルを補給する
・ビタミンを補給する
・水分を補給する
・冷えを防ぐ
・運動するときにはウオーミングアップとクールダウンを心掛ける
・足底の「アーチ」を鍛える
・漢方の力を借りる

それぞれ説明しましょう。

2-1.ミネラルを補給する

前述のように、ミネラル不足、特にマグネシウムとカルシウムが不足することで、こむらがえりが起こりやすくなります。
そのため、ミネラル分をつねに補給するよう心がけましょう。

食事では、魚介類や海藻をとるのがおすすめです。
また、ミネラルウォーターやスポーツドリンクを飲むのもいいでしょう。

特に、汗をかいたとき、甘いものやファーストフード、お酒を摂りすぎたとき、妊娠中などはミネラル不足になりやすいので、意識して多めにミネラルを補給してください。

ただ、水分をとりすぎると、体内のミネラル濃度が薄まってしまう恐れがあります。
水を飲むときは、一気にたくさん飲まずに、少量ずつにわけてこまめに飲むように心掛けるとよいでしょう。

2-2.ビタミンを補給する

また、ビタミン不足、特にビタミンB・Eが足りないことも、こむらがえりのひとつの原因ですので、積極的にビタミンを補給することが予防になります。

こむらがえりの予防に効果が期待できるビタミンについて、はたらきや多く含まれる食材をまとめましたので、以下を表を見てください。

種類     はたらき・効果     多く含まれる食材
ビタミンB1糖質をエネルギーに変える
→ 筋肉の疲労を回復する
  筋肉痛を軽減する
・豚肉(ヒレ・モモ)
・豆類(豆腐、納豆、枝豆など)
・玄米
・そば
・たらこ
・こんぶ   など
ビタミンE血行をうながす
→ 血のめぐりをよくする
  筋肉に栄養や酸素などを十分に届ける
・ナッツ類(アーモンドなど)
・かぼちゃ
・モロヘイヤ
・アボカド
・うなぎ
・ひまわり油   など
ビタミンDカルシウムの吸収を助ける
→ 筋肉の収縮・弛緩をスムーズにする
・あん肝
・サケ
・青魚(いわし、まぐろ、かつおなど)
・しらす
・うなぎ
・きのこ類(干ししいたけ、乾燥きくらげ、
舞茸など)
・卵    など

毎日の食事にこれらの食材をうまく取り入れて、ビタミン不足を防ぎましょう。

特に、食生活が乱れているときやお酒をたくさん飲んだとき、疲れているとき、運動したとき、妊娠中などは、これらのビタミンが不足しやすいので、積極的にとるのがおすすめです。

2-3.水分を補給する

水分不足は、ミネラルバランスを崩しますし、血流も悪くなる恐れがあります。
そのため、こむらがえり予防には、水分補給が欠かせません。

暑い時期はもちろん、寒い冬でも乾燥しやすいため、水分不足になりがちです。
また、運動などで汗をかいたとき、お酒をたくさん飲んだとき、お風呂上り、嘔吐や下痢をしたときなども、水分補給のタイミングといえます。

ただ、前述したように、水分をとりすぎるとミネラル不足になる恐れがあるため、飲む量には注意が必要です。
1日当たりの適量は体重や年齢によって異なりますが、おおむね 1.2 ~ 1.5 リットル程度が推奨されています。

2-4.冷えを防ぐ

からだが冷えると血のめぐりが悪くなり、筋肉に栄養が行き届かなくなるため、こむらがえりが起こりやすくなります。
それを防ぐには、やはりからだを温めることが必要です。

おすすめは、足浴や半身浴です。

足浴は、バケツなどの深さのある容器に40℃前後のお湯を入れ、くるぶしの上くらいまでを浸けます。
10~20分程度、ゆっくり浸かる
といいでしょう。

半身浴は、37~40℃程度のお湯をはった湯船に、みぞおちあたりまで浸かる入浴法です。
浸かる時間は20~30分程度が推奨されています。

いずれも血行がよくなり、からだが内側からあたたまる効果が期待できます。
また、ストレッチも血流をうながしてくれるので、脚や腕を中心に伸ばしたり回したりするといいでしょう。

普段の生活では、レッグウォーマーや腹巻などで、冷えやすい部分を温めるのもおすすめです。

2-5.運動するときにはウオーミングアップとクールダウンを心掛ける

急に激しい運動をすることも、筋肉の疲労や緊張につながるため、こむらがえりのリスクがあります。
そのため、運動前にはかならず十分なウォーミングアップをして、運動後にもクールダウンのストレッチを行うようにしてください。

高齢の方や運動をあまりしない方でもできるストレッチの方法が、厚生労働省の以下のリーフレットに掲載されています。
参考にしてみてください。

厚生労働省「認知症予防マニュアル」

運動前にはストレッチをしても、運動後には特に何もしない方も多いでしょう。
ですが、それでは筋肉が緊張したままなので、こむらがえりのリスクが残ります。
運動後にもかならずストレッチをして、筋肉をほぐしてください。

2-6.足底の「アーチ」を鍛える

また、足底の「アーチ」が弱い人も、足がつりやすい傾向があります。

足底の「アーチ」とは、以下の図のように、足裏が縦横にアーチ型になっている構造のことです。

これが弱い、いわゆる「偏平足(へんぺいそく)」気味の場合は、ここを鍛えることで足がつりにくくなるでしょう。

アーチを鍛える方法については、以下の記事でくわしく説明しています。
子ども向けの内容ですが、大人にも効果的なアーチづくりの運動を、動画付きで紹介していますので、ぜひ参考にしてやってみてください。

【動画つき】転びやすい人におすすめ!転ばない足をつくる4つの運動

また、外反母趾予防の足指体操や、つま先立ちでの歯磨きなどでもアーチを鍛えることができますのでおすすめです。

2-7.漢方の力を借りる

前述したように、東洋医学では筋肉は「肝」と関係が深いとされています。
そのため、「肝」に作用する漢方を飲むことも、こむらがえりの予防に有効です。

東洋医学における「肝」は、以下のようなはたらきをすると考えられています。

【「肝」のはたらき】

・「気」をからだにめぐらせる
・「血」をたくわえ、必要な場所にいきわたらせる
・筋肉や腱に栄養をあたえ、筋肉の収縮・弛緩をコントロールし、柔軟性を維持する
 など

つまり、こむらがえりに原因になるビタミン不足、血行不良、筋肉の緊張などは、「肝」のはたらきが悪くなることで引き起こされる恐れがあるのです。

こむらがえりに効果が期待できる漢方として有名なのは、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」です。
これには、筋肉にうるおいをもたせる作用が大きい生薬が配合されています。
短時間で効果が表れるのも特徴で、そのため予防だけでなく、こむらがえりになってしまった際に飲んでもいいでしょう。

また、「抑肝散(よくかんさん)」もおすすめです。
私はこれを飲み始めてから、足がつることはほぼなくなりました。

このような漢方で、「こむらがえりにならないからだづくり」をしていくのも重要なことです。

3.【東洋医学】こむらがえりになったときの対処法

予防法はわかりましたが、一方で実際にこむらがえりになってしまったときは、どうすればいいのでしょうか?
激しい痛みが長く続くため、「すぐに治したい!」と思いますよね。
そんなときは、以下の方法を試してみてください。

・さすりながらストレッチする
・ツボを押す、お灸をする

くわしいやり方を説明します。

3-1.さすりながらストレッチする

こむらがえりになったら、まず足の指をストレッチしましょう。
やり方は、片手でふくらはぎをさすりながら、もう片方の手でつっている足の親指をもち、足の甲がわに向かってそらすようにゆっくりひっぱります。

寝ているときなら、壁に足の裏を押しつけて、アキレス腱を伸ばすようにストレッチするのもおすすめです。
ふくらはぎだけでなく、足の裏がつったときにも効果が期待できますので、やってみてください。

3-2.ツボを押す、お灸をする

ストレッチで治らなければ、こむらがえりに効くツボを使ってみましょう。
おすすめのツボは、「陽陵泉(ようりょうせん)」です。

【陽陵泉】

場所はひざの外側、少し下にある出っ張った骨のすぐ下のくぼんだところです。
より効果が期待できるのは、お灸ですので、手元にあればやってみてください。

お灸がなければ、指で押しましょう。
親指の腹を使って、5秒ほど押すのを数回繰り返します。

実際に私も、こむらがえりになったときにお灸をしましたが、つっていた筋肉がたちまちゆるみました。

4.こむらがえりの注意点

こむらがえりは、痛みと筋肉のつりに対処することももちろん大切です。
ただ、私が患者さんに接していて感じた注意点がありますので、最後にそれを共有しておきます。

それは、あまりにもこむら返りや筋肉の引き攣れが起こる場合は、別の病気を疑った方がよい、ということです。
当院での臨床でよく出会うのは、こむらがえりになりやすい方が糖尿病の予備軍だった、というケースです。

あるいは、内臓の機能が低下していて肝硬変や腎不全になりかけていたり、ヘルニアや脊柱管狭窄症などで神経が圧迫されていたりする恐れもあります。

そのため、「最近こむらがえりや足のつりが起こりがちだな」と感じたら、病院に相談して検査してもらうことをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか?
今回は「こむらがえり」について、ピンポイントで考えてみました。
ではあらためて、ポイントをまとめておきましょう。

◎こむらがえりの原因は、
 【西洋医学的な原因】
  ・ミネラルバランスの崩れ(主にマグネシウムとカルシウム)
  ・ビタミン不足(主にビタミンB・E)
  ・水分不足
  ・血行不良
  ・末梢神経の過剰興奮

 【東洋医学的な原因】
  ・「肝」のはたらきが悪い
   → 血の流れがとどこおる「肝血お滞」、血が不足する「肝血虚」になる
   → 筋肉が十分に栄養を得ることができずに痙攣を起こす

◎こむらがえりの予防法は
 ・ミネラルを補給する
 ・ビタミンを補給する
 ・水分を補給する
 ・冷えを防ぐ
 ・運動するときにはウオーミングアップとクールダウンを心掛ける
 ・足底の「アーチ」を鍛える
 ・漢方の力を借りる

◎こむらがえりになったときの対処法は
 ・さすりながらストレッチする
 ・ツボを押す、お灸をする

◎こむらがえりは糖尿病などの病気が原因の場合もあるので、検査も重要

以上を踏まえて、あなたがこむらがえりにならない健康なからだづくりをできるよう願っています。