花粉症やアレルギーを持っている方の中には、病院で「抗ヒスタミン薬」というお薬を処方されたり、「抗ヒスタミン成分配合」と謳った市販薬を飲んでいたりする方も多いかと思います。
この「ヒスタミン」って、どんなものかご存じですか?
実は「ヒスタミン」は、食中毒の原因となる化学物質です。
アレルギーや花粉症においては、その原因物質=アレルゲンがからだの中に取り込まれると、「マスト細胞」という細胞からヒスタミンが放出され、かゆみなどのアレルギー症状を引き起こします。
そのため、「抗ヒスタミン薬」=ヒスタミンのはたらきを抑制する薬を服用することで、アレルギー症状を抑えることができるのです。
この記事では、花粉症やアレルギーの方にはぜひ知っておいていただきたい「ヒスタミン」について、わかりやすく説明していきます。
◎ヒスタミンとアレルギーの関係
◎ヒスタミンが多い食品・少ない食品
この記事でヒスタミンやアレルギーの知識を身につけて、日頃の食や生活から体質改善を目指しましょう!
ヒスタミンはアレルギー症状を引き起こす化学物質

コマーシャルでよく、「抗ヒスタミン薬」ってみかけませんか?
この「ヒスタミン」、アレルギー症状を引き起こすきっかけになる化学物質です。
食中毒の原因としても知られています。
アレルギーとヒスタミンの関係を簡単に説明すると、以下の通りです。
1)アレルギーの原因=「アレルゲン」がからだに取り込まれる
↓
2)「マスト細胞」から「ヒスタミン」などの物質が放出される
↓
3)「ヒスタミン」がかゆみなどのアレルギー症状を引き起こす
↓
4)「抗ヒスタミン薬」を服薬すると、「ヒスタミン」のはたらきが抑えられ、かゆみなどのアレルギー症状がおさまる
ちなみに厚生労働省の「アレルギーポータル」サイトでは、アレルギーのしくみとヒスタミンについて、以下のように説明されています。
アレルギー反応には大きく4つのパターン(Ⅰ~Ⅳ型)がありますが、一般的に食物アレルギーや花粉症などはⅠ型アレルギーに分類されます。 (中略) アレルギーの患者さんでは、鶏卵やスギ花粉、ダニ、ハチ毒など、それぞれのアレルゲンに対して固有のIgE抗体がつくられます(特異的IgE抗体といいます)。 このIgE抗体は、血液や皮膚、腸などに存在するマスト細胞という細胞に結合します。ここにアレルゲンが結合すると、アレルギーを引き起こす化学物質(ヒスタミンやロイコトリエンなど)が細胞から放出され、体にじんましんなどの症状が引き起こされます。 (中略) 初めてハチに刺されたときにはIgE抗体が存在していないのでアレルギー反応は生じませんが、その際にハチ毒のIgE抗体がつくられるとマスト細胞にハチ毒のIgE抗体が結合してスタンバイ状態になり、その状態で2回目にハチに刺されるとマスト細胞からアレルギーを引き起こす物質が放出されるために、重篤なアレルギー症状が引き起こされることがあるのです。 ![]() 出典:厚生労働省 アレルギーポータル「アレルギーとは」ページより引用(一部中略) |
花粉症・アレルギーのある人は注意!ヒスタミンの多い食品・少ない食品

実はわたしも、かなり改善したとはいえ、基本アレルギー体質です。
いま現在は、日常生活にはまったく影響が出ないレベルまで仕上がっています。
ただ、「ヒスタミン」のもとになる「ヒスチジン」を多く含む食品を食べると、今でもかゆみのレベルが劇上がりするんです。
そんなときは、口にするものの影響力の強さをあらためて肌で感じます。
そこで、わたしと同じようにアレルギー性のかゆみに悩んでいるみなさんへ、「ヒスチジン」がどんな食品に含まれているのかをお伝えしておきます。
ベースにアレルギーのある方は、これらの摂りすぎにも気をつけておきたいですね。
【ヒスタミンのもとになる「ヒスチジン」を含む食品】 ・赤身魚:カツオ、マグロ、アジ、ブリ、サンマ、イワシ など(加工品も) ・肉類:鶏肉、豚肉 など ・発酵食品:チーズ(特にチェダーチーズ)、ヨーグルト、味噌、醤油、納豆、キムチ、ワイン など ・野菜類:ほうれん草、なす、たけのこ、トマト など ・豆類:ピーナッツ など ・嗜好品:コーヒー、ココア、チョコレート、抹茶 など |
ご自分で「アレルギーが出やすい」と感じる季節には、特にこれらの食品を食べる量や頻度に気をつけておくといいですね!
反対に、ヒスチジンが少ない食品も挙げておきましょう。
【ヒスタミンのもとになる「ヒスチジン」が少ない食品】 ・果物類:いちご、レモン、オレンジ、ブルーベリー、ぶどう など ・飲料:紅茶、ウーロン茶、麦茶、番茶、ほうじ茶 など |
こちらは、比較的安心して口にしてもよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
アレルギーとヒスタミンについて、理解していただけたのではないでしょうか。
この記事で、覚えておいてほしいポイントは以下です。
◎ヒスタミンはアレルギー症状を引き起こす化学物質
◎ヒスタミンのもとになる「ヒスチジン」を特に多く含む食品は、
・赤身魚:カツオ、マグロ、アジ、ブリ、サンマ、イワシ など(加工品も)
・発酵食品:チーズ(特にチェダーチーズ)、ヨーグルト、味噌、醤油、納豆、キムチ、ワイン など
これらのことに気をつけて、花粉症やアレルギーと上手に付き合っていきましょう!