こんにちは、東京日本橋にある鍼灸治療室クリスタ 院長のかとうようこです。
「なんだか体が重だるい」
「しっかり寝たはずなのに、すっきりしない」
そんな日が続くこと、ありませんか。
東洋医学では、このような「だるさ」「疲れ」の原因は、「気虚=エネルギー不足」、「痰湿=水分代謝がうまくいかない」のいずれかの状態、またはその両方だと考えられています。
「気虚」は「気=生命エネルギー」が不足しているため、睡眠や休息を十分にとる、胃腸にやさしい食事をとるといった生活習慣の改善が必要です。
また、「足三里」「気海」といったツボも効果的といわれています。
一方の「痰湿」は、「水=体内の水分」の代謝がうまくいっていないので、入浴や軽い運動で代謝をアップし、冷たいものや脂っこいものなどを避ける食生活を心掛ける必要があります。
「豊隆」「水分」などのツボを押すのも、手軽なセルフケアです。
そこでこの記事では、だるさや疲れについて、東洋医学の視点からわかりやすく説明していきます。
◎体がだるい・疲れが抜けないのはなぜ?
◎東洋医学では「だるさ」をどう考える?
◎【セルフチェック】あなたのだるさタイプは?
◎だるさを改善するセルフケア・1:生活習慣を改善する
◎だるさを改善するセルフケア・2:おすすめ食材を摂る
◎だるさを改善するセルフケア・3:ツボ
◎だるさが長く続く場合は、医療機関を受診しましょう
最後まで読めば、あなたのだるさの原因と改善方法がわかるはずです。
この記事で、あなたがはつらつとした毎日を元気に送れるようになることを願っています!
1.体がだるい・疲れが抜けないのはなぜ?

一般的に、体がだるかったりなかなか疲れが抜けなかったりする原因としては、以下のようなものが考えられます。
・睡眠不足、または睡眠の質がよくない
・過労、休みが足りない
・不規則な生活
・栄養不足、または栄養のかたより
・運動不足による体力の低下
・ストレス
・自律神経・ホルモンバランスの乱れ
・風邪などの感染症
・貧血
・糖尿病などの慢性疾患 など
これらは大きく、「生活習慣の乱れ」と「病気」の2つにわけられ、対処法もそれぞれ異なります。
生活習慣によるものであれば、自分で改善することができますが、病気の場合は医師による診断と治療が必要です。
「ちゃんと寝て休んで、食事もとっているのに長期間だるさが続く」というような場合は、病気の可能性がありますので、ぜひ一度、医療機関を受診してください。
2.東洋医学では「だるさ」をどう考える?

では、東洋医学では「だるさ」の原因をどのようにとらえているのでしょうか?
2-1.東洋医学におけるだるさの原因は「気虚」「痰湿」
どこかが悪いわけではないのに、何をするにも気が進まない。
頭もぼんやりして、気づけばまた横になってしまう。
実はこの「なんとなくだるい状態」、東洋医学では主に2つの原因によると考えられています。
・気虚:「気(=エネルギー)」が不足して、疲れやすくなっている状態
・痰湿:「水(=水分)」がうまく流れず、体に溜まって重くなる状態
東洋医学では、体を動かすエネルギーを「気」といい、体の中の水分「水」の巡りもとても大切に考えます。
このバランスが崩れると、だるさとして現れることがあるのです。
言い換えれば、気虚=「動く力が足りない」か、痰湿=「余分なものが溜まっている」かどちらか、あるいは両方が起きているイメージです。
ではそれぞれのタイプを、もう少しくわしく説明しましょう。
2-2.気虚:「気=エネルギー」そのものが不足しているタイプ

「気虚(ききょ)」とは、体を動かす生命エネルギーである「気」が足りていない状態です。
たとえば、天気に関係なく、いつも疲れやすく、やる気が出ない。
少し横になるつもりが、そのまま長く眠ってしまう。
気づけば一日が終わっていて、なにもできなかったと落ち込んでしまうこともある。
そんな状態に悩んでいる人も多いでしょうが、それは決して性格のせいではありません。
体の中で「気=エネルギー」を作る力が弱っているだけなのです。
このタイプの方は、胃腸が少し疲れていることが多く、食べたものをうまくエネルギーに変えられていません。
特に、甘いものや小麦製品を食べすぎていると、胃に負担がかかってしまいがちです。。
そんなときは、ごはんと味噌汁、シンプルなおかず中心の食事をしっかり噛んで食べるよう心がけるだけでも、体の反応が変わってだるさが軽減することもあります。
2-3.痰湿(たんしつ):体内の「水=水分」がうまく流れずよどんでいるタイプ

「痰湿(たんしつ)」とは、体の中をめぐっている「水」がうまく代謝されずに滞ってしまい、余分な水分や老廃物がたまっている状態です。
うまく巡らなかった水分は、重みとなって体にも頭にも負担をかけてしまいます。
雨の日に調子が悪くなりやすいのも、このタイプの特徴です。
水分を摂りすぎていたり、冷たいものや乳製品が多かったりすると、痰湿になりがちです。
また、胃に負担がかかることで、体の「水はけ」が悪くなっていることもあります。
こんなときは、水分の摂り方を見直すとよいでしょう。
のどが渇いたときは、水分をごくごく一気飲みするのではなく、ゆっくりひと口ずつ飲むようにしてください。
それだけでも、体は少しずつ変わっていきます。
3.【セルフチェック】あなたのだるさタイプは?

となると、「わたしのだるさは気虚か痰湿、どっちが原因?」ということが知りたいですよね。
それを知るには、以下のどの項目に当てはまるかをチェックしてみてください。
チェックが多いのが、あなたのタイプです。
| 気虚タイプ | ・胃腸が弱く、食が細い ・下痢しやすい ・食後に眠くなる ・体(特に手足)が冷える ・朝起きられない ・体がむくみやすい ・風邪をひきやすい |
| 痰湿タイプ | ・痰や鼻水が出やすい ・にきびや吹き出物ができやすい ・体(特に下半身)がむくみやすい ・おなかが張りやすい ・下痢しやすい ・お酒、甘いもの、冷たいもの、脂っこいものをよく摂る ・舌に白いコケがある |
| 気虚+痰湿混合タイプ | 上の両方ともに多く当てはまる |
4.だるさを改善するセルフケア・1:生活習慣を改善する

タイプがわかったら、だるさを改善するために、まずは自分でできることをしましょう。
それにはなんといっても、生活習慣の改善が大切です。
前述したように、気虚の場合はエネルギー不足、痰湿の場合は水分代謝の不足が原因ですから、毎日の生活を以下のように変えてみてください。
悪い習慣を改めれば、気や水のめぐりも改善されるでしょう。
4-1.気虚の人の生活改善
まず、気虚の人は「気=生命エネルギー」が足りていないので、気を補う生活を心がけましょう。
具体的には、以下のことを実践してください。
・睡眠を十分にとる
・冷たい食べもの飲みものを避け、あたたかいものを摂る
・生ものや脂っこいもの、甘いものも多く食べないようにする
・朝食をきちんと食べる
・軽い運動をする:過度な運動は逆効果になる恐れがあるので要注意
第一に、睡眠不足はだるさの大きな原因になります。
少なくとも1日6~7時間は眠って、できれば就寝・起床時間も規則正しくしましょう。
また、食生活も重要です。
朝食をしっかり食べることで、1日のエネルギーを確保することにつながります。
また、胃腸が弱いのも気虚の弱点なので、胃を労わる食事を心掛けてください。
運動は、過度に行うと逆に疲れてしまってだるくなる恐れがあります。
軽いジョギングやストレッチ、ヨガなどを習慣にするといいでしょう。
4-2.痰湿の人の生活改善
痰湿の人は、「水」の代謝が悪くなっているので、水分代謝をうながすことが必要になります。
それには以下のようなことが有効です。
・食べすぎ、飲みすぎをしない
・冷たいもの、甘いもの、生の食材、脂っこいものは控えめにする
・夜遅くに食事しない
・水分を摂りすぎない
・利尿作用のあるお茶を飲む
・お風呂はシャワーだけでなくちゃんと湯船につかる
・軽い運動をする
まず、痰湿の人は食べすぎ、飲みすぎのケースがありますので、腹八分目を心がけましょう。
そして、体を冷やしたり、胃に負担をかけたりする食べもの、食べ方も控えてください。
そのうえで、水分の代謝をうながすために、入浴と運動をして、汗や老廃物を排出します。
半身浴や長めの入浴で、しっかり汗をかきましょう。
運動も、激しくなくていいので、ストレッチやジョギングなどがおすすめです。
5.だるさを改善するセルフケア・2:おすすめ食材を摂る

生活習慣の中でも、東洋医学的に重視したいのが食事です。
気虚、痰湿それぞれにおすすめの食材がありますので、以下のものを積極的に摂るようにしてください。
| 気虚におすすめの食材 | ・いも類 :じゃがいも、さつまいも、長芋、山芋 ・豆類 ・きのこ類 ・かぼちゃ、ブロッコリー、アスパラガス、たまねぎ、にら ・牛肉、鶏肉、羊肉、豚肉 ・エビ、うなぎ、かつお、カニ ・にんにく、しょうが ・黒砂糖、はちみつ など |
| 痰湿におすすめの食材 | ・玄米、雑穀、あずき、そら豆、えんどう豆 ・海藻類 ・大根、ごぼう、にんじん、かぶ、小松菜、ピーマン、バナナ ・いわし、あじ、さば、さんま ・あさり、しじみ ・豚レバー、鴨肉 ・しょうが、大葉 ・こんにゃく、はるさめ など |
注意したいのは、いずれも冷たい状態や生よりも、火を通したあたたかいものを摂るということです。
どちらのタイプも、とにかく胃に負担がかからないように心掛けましょう。
6.だるさを改善するセルフケア・3:ツボ

そして東洋医学的には、自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押しもぜひ取り入れてほしいところです。
気虚、痰湿それぞれにおすすめのツボをご紹介しますので、気がついたときに押す習慣をつけましょう。
6-1.気虚におすすめのツボ
気虚にいいツボはいろいろありますが、特に以下の2つをおすすめします。
1)足三里(あしさんり)
胃腸の不調を整え、疲れやすい人の体力を高めるツボです。
場所は、ひざの外側にあるくぼみから、指4本分下のところにあります。

2)気海(きかい)
「気」が集まるツボで、気を補い、エネルギーを全身にめぐらせます。
おへそから指2本分下にあります。

6-2.痰湿におすすめのツボ
痰湿の場合は、水分代謝を高める以下のツボが有効です。
1)豊隆(ほうりゅう)
「去痰の要穴」とも呼ばれ、体内の余分な水分や老廃物を排出する、まさに痰湿改善のためのツボです。
すねの外側、ひざ下と足首のちょうど中間にあります。

2)水分(すいぶん)
名前の通り、体内の水分代謝をよくするツボです。
おへその真上、親指1本分上がったところにあります。

6-3.ツボの押し方
ツボを押すもっとも手軽な方法は、指で押すことです。
親指の腹で、息を吐きながらゆっくり5秒間押します。
そして、息を吸いながらゆっくり5秒かけて戻します。
これを3回繰り返しましょう。
強さは、「痛気持ちいい」くらいで結構です。
強く押しすぎると、筋肉や血管を傷つける恐れがありますので、注意してください。
7.だるさが長く続く場合は、医療機関を受診しましょう

ここまでは、あくまでだるさの原因が「気虚」「痰湿」といった生活習慣で改善が期待できるものの場合です。
もしも病気が潜んでいるとしたら、食事やツボでは改善できません。
以下のような場合は、病気の恐れがありますので、かならず医師の診察を受けてください。
・数か月間ずっとだるさ、倦怠感が続く
・睡眠や休息を十分にとっているのに、いつも疲れた感じがある
・微熱、息苦しさなど、だるさ以外の症状もともなっている
・ダイエットをしていないのに体重が減ってきた
単なるだるさだからと軽く見るのは禁物です。
体からのSOSサインを見逃さずに、早め早めに対応していきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、多くの人が感じているだろう「だるさ」「疲れ」について、東洋医学の視点から考えてみました。
ではあらためて、記事のポイントをまとめましょう。
◎東洋医学では、だるさの原因を「気虚=エネルギー不足」「痰湿:水分代謝がうまくいかない」と考える
◎だるさを改善するには、まず睡眠、食事などの生活習慣を改善する
◎だるさに効くツボもある
◎だるさが長く続いたり、別の症状をともなったりする場合は、医師の診察を受ける
以上を守って、元気ではつらつとした毎日を送りましょう!

