子宮下垂・子宮脱とは|更年期以降におこりやすい子宮トラブルの予防法

こんにちは、かとうようこです。

「陰部に何かはさまっているような違和感がある」
「お腹に力を入れると、陰部から何かが出てくる」

更年期以降の女性で、そんなお悩みを持っている方は意外と多いのではないでしょうか?

それは、「子宮下垂」もしくは「子宮脱」かもしれません。

「子宮下垂・子宮脱」とは、子宮を支えている筋肉や靭帯が弱まってゆるみ、子宮が正常な位置より下がってしまう病気です。
下がってしまった状態を「子宮下垂」、それがひどくなって子宮が膣の外に出てしまったのを「子宮脱」と呼びます。

更年期以降の女性がなりやすいものですが、「骨盤底筋」を鍛えることで予防できます。

そこでこの記事では、子宮下垂・子宮脱について知っておいてほしいことを説明します!

◎子宮下垂・子宮脱とは
◎子宮下垂・子宮脱の原因
◎子宮下垂・子宮脱になったらどうする?
◎子宮下垂・子宮脱を予防する方法

子宮下垂・子宮脱になってしまうと、デリケートゾーンにさまざまな不快感が生じたり、排尿困難・排便困難になったりして生活にも支障をきたすでしょう。
そのようなことにならないよう、この記事を最後まで読んでぜひ予防法を実践してください!

 

「子宮下垂・子宮脱」ってなに?

まず最初に、「子宮下垂・子宮脱」とはどんな病気か、基本的なことを知っておきましょう。

「子宮下垂・子宮脱」とは

「子宮下垂・子宮脱」とは、子宮が正しい位置よりも下がってしまう病気のことです。
通常より下がっている状態を「子宮下垂」といい、それがひどくなって子宮が膣の外に出てしまっている状態を「子宮脱」といいます。

「子宮下垂」の状態では自覚症状がない人も多く、自分で気づくのは難しいかもしれません。
婦人科検診などで医師に指摘されて知るケースがよくあるようです。

ただ、悪化して「子宮脱」になってしまうと、下腹部に違和感があったり、排尿・排便が難しくなるなど、さまざまな症状があらわれます。

いずれも閉経する時期、つまり更年期ごろに発症することが多く、命にかかわるような病気ではありませんが、QOLはかなり下がってしまうでしょう。
自覚症状が出る前に、予防や改善に取り組むのがおすすめです。

予防法・初期の改善法については、のちほど「骨盤底筋を鍛えて子宮下垂・子宮脱を予防しよう!」の章で説明しますので、ぜひ実践してください!

子宮下垂・子宮脱の症状

前述したように、「子宮下垂」に自覚症状はほとんどありません。
それに対して「子宮脱」になると、以下のような症状が出ることがあります。

【子宮脱の症状の例】

・下腹部の内側が下にひっぱられる感じがある
・股間にものがはさまっているような感じがする
・ピンポン玉くらいのかたまりがデリケートゾーンに触れる感じがある
・座るとき、小さいボールの上に座っているような違和感がある
・陰部に痛みやかゆみがある
・陰部が化膿する
・おりものが増える
・出血がある
・腰痛
・排尿障害:頻尿、尿もれ、尿が出しにくいなど
・排便障害:便秘など

これらの症状の中には、ほかの疾患でも起こるものがあるので、まさか子宮脱になっているとは思わずに悪化させてしまうことも考えられます。
違和感を感じたら、自分で判断せずに、早めに婦人科の診察を受けてください。

子宮下垂・子宮脱の原因

ではなぜ「子宮下垂・子宮脱」は起こるのでしょうか?
原因は、骨盤の中にある子宮などの臓器を支えている「骨盤底筋群」という筋肉や靭帯の集まったものが、妊娠・出産や加齢などによってゆるんでしまうことです。

というのも、子宮はとても不安定な臓器です。
上の図のように、「骨盤底筋群=靱帯や筋肉」でポジションを維持しているだけなので、これらがゆるむと子宮が下垂し、さらに症状が進むと膣から子宮が顔を出す子宮脱になるというわけです。

骨盤底筋がゆるむ原因としては、以下のようなものが考えられます。

【骨盤底筋がゆるむ原因の例】

・妊娠・出産
・加齢・閉経(女性ホルモン・エストロゲンの減少)
・肥満
・便秘
・ぜんそくや気管支炎などによる慢性的な咳
・立ち仕事や重いものを持つ仕事 
      など

ただ、若い人が出産後にすぐ子宮下垂・子宮脱になるケースは少なく、閉経する頃、つまり更年期に発症することが多いものです。

軽度の場合は、運動など生活の工夫で改善が期待できますが、症状が進むと外科的な手術が必要になります。
そのため、予防と早期発見が大切だといえるでしょう。

子宮下垂・子宮脱の治療法

もし子宮下垂・子宮脱になってしまったらどんな治療法があるのでしょうか?

軽度であれば、骨盤底筋を鍛える体操によって改善が期待できます。
また、西洋医学的な治療としては、「ペッサリー」というリング状の器具を膣から挿入して、子宮が下がらないようにささえる「ペッサリー療法」というものもあります。

一方で、重度になってしまうと、手術が必要です。
膣壁を縫い縮めて子宮の飛び出しを防ぐ方法や、メッシュ素材を膣内に挿入してささえる力を補強する方法など、さまざまな手術がありますので、症状によって医師の判断をあおいでください。

骨盤底筋を鍛えて子宮下垂・子宮脱を予防しよう!

ここまで、子宮下垂・子宮脱についてわかりやすく説明しました。
ただ、みなさんは「できればそのような病気になりたくない、予防したい」「もしなってしまったとしても、早めに気づいて治したい」と考えるでしょう。

そこで、わたしがおすすめする「骨盤底筋体操」をご紹介します!

子宮脱予防のためには、更年期のころから骨盤底筋の筋トレをするのが効果的です。

この体操は、予防だけでなく軽度の子宮脱を改善する効果も期待できますし、尿漏れが気になる方にもおすすめです。
かんたんですので、毎日コツコツ続けてください。 

【かんたん!骨盤底筋体操:ヒップリフト】


この動きは、おしりをあげるときに内股に力を入れるようにすると、骨盤底筋肉により作用します。
「骨盤底筋肉の筋トレだけでなくヒップアップにもなる!」と思うと、続けられますよね。
今晩からぜひぜひ始めましょう!

また、「もっとトレーニングしたい!」という方は、以下のサイトに動画つきでいろいろなトレーニング法が説明されていますので、トライしてみてください。

骨盤底筋トレーニング – ライフリー – ユニ・チャーム

まとめ

今回は、更年期に気をつけたい「子宮下垂・子宮脱」について説明しました。

あらためてポイントをまとめると、

1)「子宮下垂・子宮脱」とは、子宮が正しい位置よりも下がってしまう病気で、更年期ごろに発症するケースが多い
2)子宮下垂は自覚症状がなく、そのまま重度の子宮脱になってしまうと手術が必要になる恐れがある
3)そのため更年期ごろになったら、子宮を支える「骨盤底筋」をトレーニングで鍛え、子宮の下垂を予防することが大切

これらのことに気をつけて、ぜひ今日から骨盤底筋体操に取り組んでください!