こんにちは、東京日本橋の鍼灸治療室クリスタ 院長のかとうようこです。
今回の記事は、「着圧レギンス」についてです。
「着圧レギンスを愛用しているんだけれど、これって本当に効果があるの?」
「むくみ解消のために着圧レギンスをはくと、すごく苦しいんだけれど大丈夫?」
そんな疑問をもっている方、意外に多いのではないでしょうか?
結論から言うと、
「着圧系のはきもの、特にレギンスははかないで!」
というのがわたしからの注意喚起です。
理由は、以下のような悪影響があるからです。
| おすすめしない理由 | 懸念される悪影響 | |
|---|---|---|
| 1 | 動きや生地のよれで着圧が変わる | 血行不良になる →痛みや神経障害が起こりやすい |
| 2 | 強すぎる圧に、関節まわりの筋肉が耐えられない | 本来の骨の位置が微妙に移動する →関節の痛みにつながる |
| 3 | 強すぎる圧や摩擦で、皮膚を痛める | かぶれ、じんましん、ミミズ腫れなどを 引き起こす恐れがある |
実際に、わたしの患者さんの中にも着圧レギンス着用中にむくみが悪化したり、生理痛がひどくなったり、夜間頻尿になったりして、着用をやめたとたんに症状が改善した例が複数あります。
脚のむくみを解消したいなら、着圧レギンスではなく、
・鍼灸
・オイルマッサージ
・食生活の改善
・軽い運動
がおすすめです。
そこでこの記事では、着圧レギンスの問題点とその代替法について、わかりやすく説明します。
◎着圧レギンスをおすすめしない3つの理由とその悪影響
◎着圧レギンスで健康を害した可能性がある事例
◎なぜ脚がむくむのか?
◎着圧レギンスに頼らない、脚のむくみ対処法
ぜひ最後まで読んで、あなたの脚のむくみを正しく解消してください!
【目次】
1.着圧レギンスをおすすめしない3つの理由とその悪影響

わたしが着圧レギンスをおすすめしない理由は、以下の3点です。
| おすすめしない理由 | 懸念される悪影響 | |
|---|---|---|
| 1 | 動きや生地のよれで着圧が変わる | 血行不良になる →痛みや神経障害が起こりやすい |
| 2 | 強すぎる圧に、関節まわりの筋肉が耐えられない | 本来の骨の位置が微妙に移動する →関節の痛みにつながる |
| 3 | 強すぎる圧や摩擦で、皮膚を痛める | かぶれ、じんましん、ミミズ腫れなどを 引き起こす恐れがある |
くわしく説明します。
1-1.動きや生地のよれで着圧が変わり、血行不良になる
第1の理由は、着圧レギンスをはくと、動きや生地のよれのために着圧が変わり、血行不良になることです。
その結果、下半身に痛みが出る恐れがあります。
たとえば、パツンパツンの伸縮性のないジーンズをはいていることを想像してみてください。
かがんだり走ったりすると、圧がかかるのがわかりますよね。
ましてや、動いていない状態でも圧をかけているのが着圧系です。
動きによっては強すぎる圧がかかってしまいます。
また、最初はきちんと着用していても、動いているうちに生地がよれたりかかとの位置が微妙にずれることもあるでしょう。
そうなると、圧が変わってより強く締め付けられてしまうのです。
以下のグラフは、国民生活センターが着圧レギンス(調査レポートでは「加圧を利用したスパッツ」)についてさまざまな調査テストを行った中から、「姿勢による衣服圧の変化」をグラフ化したものです。
2011年発表と、古いデータではありますが、参考に掲載します。

これを見ると、着圧レギンスをはいてしゃがむことで、ただ立っているよりも何倍もの圧がかかっているのがわかるでしょう。
座るだけでも、ひざや太ももの圧が増しています。
このために、血行不良が進み、痛みや神経障害のリスクにつながるというわけです。
ちなみにこのグラフでは、腹部にかかる圧は姿勢によってはあまり変化していませんが、はいているだけでお腹を圧迫します。
当院の患者さんの中には、着圧レギンスを着用することで、生理痛がひどくなったという事例もありました。
これもロング着圧の弊害といえるでしょう。
1-2.強すぎる圧に関節まわりの筋肉が耐えられず、痛みが出る
第2の理由は、着圧レギンスの強すぎる圧に、関節まわりの筋肉が耐えられないことです。
そのため、圧力がかかった骨が本来の位置から微妙にズレて、痛みを引き起こす恐れがあるのです。
特に、足の甲とひざ関節には要注意です。
みなさんが思っているよりもずっとデリケートなので、骨のズレが起こりやすいと言えるでしょう。
当院の患者さんの中には、もともとなんでもなかったひざ関節が、着圧レギンスの締め付けで痛みが起こり、水がたまってしまったという事例もありました。
さらに、そけい部(=太もものつけ根)も圧迫に弱い部分です。
ここにある太い血管は、からだの表面に近いこともあって、止血ポイントとしても知られています。
そのため、着圧レギンスで強い圧が加わると、脚への血流がより悪くなってしまうので気をつけてください。
1-3.強すぎる圧や摩擦で、皮膚を痛める
3つ目の理由は、着圧レギンスの強すぎる圧や摩擦が、皮膚を痛める恐れがあることです。
たとえば以下のようなケースです。
・着圧レギンスと皮膚との摩擦で皮膚に刺激が加わって痛めてしまう
・強い締め付けによる血行障害で、皮膚に酸素や栄養が行き届かなくなる
・素材が肌に合っていない(アレルギーなど)
その結果、肌が赤くなる、かぶれる、じんましんやミミズ腫れが出る、といった皮膚トラブルを引き起こしてしまうケースがあります。
このように、着圧レギンスにはさまざまな健康リスクが考えられるので、わたしの患者さんには「着用をやめてください」とお伝えしているというわけです。
2.着圧レギンスで健康を害した可能性がある事例

実際に、当院に訪れる患者さんの中にも、体調不良を訴えていたのが着圧レギンスをやめたら復調した、というケースがときどきありますので、ご紹介しておきましょう。
2-1.足のむくみと夜間頻尿に悩んでいたAさん
2024年4月にはじめて来院したAさんは、3年前に転倒してから肩の痛みがひどくなり、当院の受診を決めたそうです。
ただ、いろいろお話を聞いているうちに、気になったことがいくつかありました。
それは、
「33年前から足のむくみが半端ないのです」
「この春、長時間飛行機に乗っていて、軽く気を失いかけました」
「夜は2時間おきに尿意で目がさめて熟睡できません」
ということ。
おからだをみてみると、腎臓付近の緊張感が非常に強いのです。
そこで、施術を進めつつ、むくみや頻尿について考えられることをお尋ねしていきました。
わたし「2時間おきに尿意で眼が覚めるとのことですが、毎回尿は出ていますか?」
Aさん「はい、毎回かなりの量が出ます」
わたし「夜寝るときは、どんなものをお召しになっていますか?」
Aさん「上はトレーナー、下は夜用の着圧レギンスです」
夜間頻尿の原因は、おそらくそれです!
全身に巡る血液が、着圧レギンスでブロックされていたのです。
そうなると、腎臓に戻ってくる血液の量が増え、ペースも速くなります。
さらによくよく聞いてみると、
・飛行機で気を失いかけたときも、機内で着圧レギンスを着用した
・むくみによいと聞いて着圧レギンスをはき始めた時期と、夜間頻尿開始が合致する
などの情報が出てきました。
となると、やはり怪しいのは着圧レギンスですので、その日からはくのをやめてもらいました。
その結果、まず頻尿は当日夜からなくなったそうです。
さらに、足のむくみも、2回目の来院時にはとれていました。
これは、初の施術のあとにAさんから届いたラインです。

これは単純に考えて、締め付けから開放されたことで、下肢と上肢の循環が回復した、ということでしょう。
この事例を通して、着圧レギンスを長時間着用する怖さをあらためて感じました。
2-2.就寝用の着圧レギンスで足首に激痛が走ったわたし
2つ目の事例は、わたし自身の体験談です。
以前、「就寝時用」と書かれた着圧レギンスを、脚のむくみとりのためにはいてみたことがあります。
効果を楽しみにして寝たところ、夜中に足首の激痛で目が覚めました。
あわててレギンスを脱いだのですが、痛みはひかず、その晩は寝つけませんでした。
それ以来、着圧レギンスは恐ろしくて着用していません。
サイズが合っていなかったのか、はたまたはき方が悪かったのかもしれません。
というのも着圧系のはきものは、サイズが大まかすぎて自分にピッタリ合うものを選べない、という大きな問題もあるのです。
ただ、前章で挙げた理由から、たとえサイズが合っていても、わたしは着圧レギンスをはきませんし、みなさんにもおすすめしません。
3.なぜ脚がむくむのか?

このように、着圧レギンスは脚のむくみをとるどころか、場合によっては逆にむくみをひどくしてしまうこともあるものです。
では、そもそも脚はなぜむくむのでしょうか?
3-1.むくみの原因
「むくみ」とは、血液中の水分が通常より多く皮膚やその下の皮下組織にしみ出してたまってしまった状態を指します。
この原因には、さまざまなものが考えられます。
・内臓の疾患
・ホルモンバランスの乱れ(更年期など)
・食生活の乱れ(塩分の摂りすぎ、アルコールなど)
・同じ姿勢を続ける(立ちっぱなしなど)
・睡眠不足、過労、ストレス
・からだの冷え
・老化 など
3-2.脚がむくむしくみ
からだがむくむのは、血液中の水分のせいです。
もちろん、脚も同様です。
ではそのしくみを考えてみましょう。
通常、心臓から送り出された血液は、全身を巡ってまた心臓に戻ります。
このとき、脚に流れた血液は、心臓からもっとも遠い場所から、重力に逆らって戻らなければなりません。
そこで、ふくらはぎの筋肉の伸縮が「ポンプの役割」を担い、血行を促進しています。
これが、「ふくらはぎは第2の心臓」といわれるゆえんです。
ところが、前述したような何らかの理由で、ふくらはぎのポンプ機能が落ちてしまうと、血液やリンパ液の流れが悪くなり、余分な水分や老廃物がたまりやすくなってしまいます。
これが、「むくみ」や「だるさ」の原因となるのです。
着圧レギンスをはくと、ふくらはぎが締め付けられてポンプとしてのはたらきが阻害されてしまいます。そのため血流が滞り、むくみが出るというわけです。
4.着圧レギンスに頼らない、脚のむくみ対処法

ですが、「着圧レギンスがダメなら、どうやって脚のむくみをとればいいの?」と困ってしまいますよね。
そんな方には、東洋医学的には鍼灸がおすすめです。
また、オイルマッサージもいいでしょう。
そして、日頃から食事に気をつけることと、適度な運動を心がけることも大切です。
その具体的な方法もご紹介しておきましょう。
4-1.【鍼灸】脚のむくみに効くツボ
脚のむくみを改善するツボとしては、以下のものが代表的です。
・三陰交(さんいんこう):すねの内側、くるぶしから指4本分上にあるくぼみ
・太衝(たいしょう):足の親指と人差し指の骨の間のくぼみ
・築賓(ちくひん):内側のくるぶしから指7本分上の場所
・関元(かんげん):おへそから指4本分下の場所
ここに市販のお灸をすえるといいですし、親指で押すだけでも効果が期待できます。

4-2.オイルマッサージ
オイルマッサージも、手軽にできておすすめです。
お好みのマッサージオイルを用意したら、以下の手順で行ってください。
1)オイルを手にとって、人肌くらいの温度に温めます。
2)足の裏からひざ下全体、太ももまで塗り広げます。
3)まず足の裏を、親指の腹で押したりくるくる円を描いたりしてマッサージします。
4)次に、足の甲やくるぶしのまわりを同じように押したりくるくるしたりします。
5)ふくらはぎを手のひらでつかみ、下から上に向かってさすります。
6)太ももの内側に手のひらを当て、ひざから脚のつけ根に向けてマッサージします。
7)同様に太ももの外側も、ひざから脚の付け根に向けてマッサージします。
血流を下から上に向けて戻すイメージで行うといいでしょう。
4-3.【薬膳】むくみ解消にいい食材
食生活では、むくみ解消にいい食材を積極的に取り入れましょう。
たとえば以下のようなものがおすすめです。
・黒い食材:黒豆、黒ごま、ひじきなど
→「腎」を整え、水分代謝をうながす
・なす:体内の水分調節をするカリウムが豊富で、血流もよくしてくれる
・たまねぎ:「気」をめぐらせ、血流もうながす
反対に、以下のような食習慣は改めてください。
・塩分の摂りすぎ:体内に水分をため込みやすくなる
・冷たいものを好む:からだが冷えると「気血」のめぐりが悪くなり、水分が滞る
・甘いものの食べ過ぎ:体内の水分のめぐりが悪くなる
・脂っこいものの食べ過ぎ:「気血」が滞る
4-4.運動
軽い運動もぜひ取り入れてください。
「でも、ジムに通ったりヨガしたりする余裕がない」という人には、以下のような簡単お手軽エクササイズをおすすめします!
4-4-1.むくみ解消エクササイズ
夜寝る前に、ベッドやリビングでできるエクササイズです。
1)仰向けに寝て、足の親指を床につけるイメージで足を下にむけます。

2)足首だけでなく脚全体を内側にひねります。
この動きは、左右同時にやってもいいですし、順番でも結構です。
ただ、足首だけ内側に向けるのではなく、足の親指を床につけるようにしながら、太ももの付け根から脚全体を内側にひねるよう心がけましょう。
4-4-2.座ったまま・立ったままできるエクササイズ
オフィスでずっと座っていたり、接客などで立ち仕事をしていたりする人は、脚がむくみやすくて悩んでいることでしょう。
そんなお仕事中でも、ちょこちょこ合間を見つけてできるエクササイズをご紹介します。
1)座ったままで:足を軽く浮かせて、足首をゆっくり曲げ伸ばしする
2)立ったままで:かかとを上げ下げして、ふくらはぎを刺激する
どちらも、1時間ごとに1〜2分ほどを目安に、思い出したとき、だるさを感じたときに行うといいでしょう。
むくみを防ぐいちばんのコツは、「こまめに動かすこと」です。
ずっと同じ姿勢でいると血流も滞ってしまうので、ちょっとした工夫で筋肉ポンプを働かせてあげてください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、着圧レギンスについての注意喚起をお伝えしました。
では、記事のポイントをまとめます。
◎わたしが着圧レギンスをおすすめしない3つの理由とその悪影響
| おすすめしない理由 | 懸念される悪影響 | |
|---|---|---|
| 1 | 動きや生地のよれで着圧が変わる | 血行不良になる →痛みや神経障害が起こりやすい |
| 2 | 強すぎる圧に、関節まわりの筋肉が耐えられない | 本来の骨の位置が微妙に移動する →関節の痛みにつながる |
| 3 | 強すぎる圧や摩擦で、皮膚を痛める | かぶれ、じんましん、ミミズ腫れなどを 引き起こす恐れがある |
◎着圧レギンスに頼らない、脚のむくみ対処法は、
・鍼灸
・オイルマッサージ
・食生活
・運動
以上を踏まえて、あなたが正しいむくみ解消法で快適な生活を送れるよう願っています!
