【動画・写真あり】お灸とはどんなもの?主な8つの種類をわかりやすく説明

こんにちは、東京日本橋にある鍼灸治療室クリスタ 院長のかとうようこです。

「お灸って、どんなものかよくわかりません」
「なんだか怪しい気がする」

そんな疑問や不安の声を聞くことがあります。

お灸とは、ヨモギの葉を精製した「もぐさ」をからだのツボにおいて燃やす、東洋医学の伝統的な治療方法です。
温熱刺激をツボにあたえることで、からだの不調を整えたり軽減したりすることができます。

その歴史は4000年以上と長いうえに、現在の日本では「はり師・きゅう師(鍼灸師)」が国家資格となり、保険診療の対象にもなっているなど、その効果が国にも認められている信頼できる治療法です。

お灸には、以下のような8つの種類があり、症状や好みによって使い分けられています。

種類                概要
間接灸
(無痕灸)
台座灸皮膚との間に紙や筒があるもの
隔物灸しょうがやにんにく、みそなどを皮膚に置き、その上にもぐさをのせるもの
棒灸棒状のお灸に火をつけ、肌に近づけるもの
灸頭針針の上にもぐさをのせて焼くもの
直接灸
(有痕灸)
点灸米粒大のもぐさを肌に直接のせるもの
糸状灸細い糸状にもぐさをひねって肌に直接のせるもの
透熱灸いろいろな大きさにもぐさをひねって肌に直接のせるもの
打膿灸肌に直接のせたもぐさを焼き切って、あえて化膿させるもの

そこでこの記事では、お灸について基本的なことを説明します。

◎お灸とは?
◎お灸の種類

この記事をふまえて、あなたがからだの不調を感じたときに、お灸を適切に活用して体調を改善できるよう願っています!

1.お灸とは

「お灸」とは、ヨモギの葉を精製した「もぐさ」をからだのツボにおいて燃やす、東洋医学の伝統的な治療方法です。
温熱刺激をツボにあたえることで、からだの不調を整えたり軽減したりすることができます。

お灸の歴史は古く、紀元前2世紀ごろの文献にはすでに登場しています。
また、漢時代(紀元前206年~紀元220年)に書かれた中国最古の医学書『黄帝内経(こうていだいけい)』では、すでに鍼灸の理論がほぼ完成されていました。

日本には、仏教とともに6世紀後半~7世紀にかけて伝わったといわれ、平安貴族の日記にも、お灸について書かれています。

このように、長い歴史をもっているということは、症例が非常に多いということです。
つまり、治療法としての体系が整っていて、効果が実証されているといえるでしょう。

実際に日本では、お灸や鍼(はり)の治療をするはり師・きゅう師(いわゆる鍼灸師)は国家資格であり、鍼灸治療は保険適用の対象にもなっているなど、国も認める治療法なのです。

2.お灸の種類

ひと口に「お灸」といっても、実は一種類ではありません。
以下のようなさまざまなものがあります。

種類                概要
間接灸
(無痕灸)
台座灸皮膚との間に紙や筒があるもの
隔物灸しょうがやにんにく、みそなどを皮膚に置き、その上にもぐさをのせるもの
棒灸棒状のお灸に火をつけ、肌に近づけるもの
灸頭針針の上にもぐさをのせて焼くもの
直接灸
(有痕灸)
点灸米粒大のもぐさを肌に直接のせるもの
糸状灸細い糸状にもぐさをひねって肌に直接のせるもの
透熱灸いろいろな大きさにもぐさをひねって肌に直接のせるもの
打膿灸肌に直接のせたもぐさを焼き切って、あえて化膿させるもの

それぞれ写真や動画もまじえて説明していきますので、特徴をふまえて最適なものを使うといいでしょう。

2-1.間接灸(無痕灸)

「間接灸(無痕灸)」とは、もぐさと肌の間に距離感がある、つまり肌に直接触れないお灸で、以下の4タイプがあります。
セルフケアできる市販のお灸は、このタイプが多いです。

・台座灸:皮膚との間に紙や筒があるもの
・隔物灸:しょうがやにんにく、みそなどを皮膚に置き、その上にもぐさをのせるもの
・棒灸:棒状のお灸に火をつけ、肌に近づけるもの
・灸頭針:針の上にもぐさをのせて焼くもの

それぞれ説明します。

2-1-1.台座灸 

「台座灸(だいざきゅう)」は、紙や筒などを台座にしてもぐさをのせたお灸です。
代表的なのは、市販されている「せんねん灸」。

せんねん灸オフ レギュラーきゅう 伊吹/484円 〜 5,324円(税込)

台座灸には、おだやかな熱であたためるものから、台座が薄く熱さを強く感じるものまで 、熱さにレベルがあります。
「熱いのは怖い」という方は、まずは熱すぎないものから始めると安心でしょう。

2-1-2.隔物灸

「隔物灸(かくぶつきゅう)」は、しょうがやにんにく、みそなどを皮膚に置き、その上にもぐさをのせたお灸です。
たとえば下の写真は、にんにくスライスの上にもぐさをのせています。

 

もぐさに線香で火をつけて、燃えきるまで待つと、じわーっとからだに熱が入ります。
けっこう熱く感じますが、お灸が終わったあともかなり長時間温かさが持続するのが特徴です。
そのため、冷えが強い人などにおすすめのお灸といえるでしょう。

ただ、にんにくを使うとくさいので、自宅でする場合は、

・しょうが灸:5㎜程度の厚めにスライスしたしょうがの上にもぐさをのせる
・みそ灸:和紙やガーゼを小さく切ってその上にみそを5~10㎜熱さでのせ、その上にもぐさをのせる

のどちらかのほうがおすすめです。 

2-1-3.棒灸

「棒灸(ぼうきゅう)」は、棒状のお灸です。
直接肌につけるのではなく、火をつけた棒灸を肌に近づけるのが特徴です。

以下の写真のように、近づけては離す、を繰り返します。

棒灸 → 棒灸

写真のように手でもつのが不安なら、木製の補助グッズがありますのでそれを使うとやりやすいでしょう。

せんねん灸 琵琶湖A型/7,700円(税込)

直接からだにのせないので、ペットに使うことも可能です。

2-1-4.灸頭針

「灸頭針(きゅうとうしん)」は、鍼(はり)をさした上にもぐさをのせて火をつける方法です。
下の写真では仮にものにさしていますが、実際には人のからだに鍼をさした状態で行います。 


火が遠いので熱さはソフトで、暖炉にあたっているようにじんわりあたたまるのが特徴です。
腰回りに行うことが多いもので、体験するとみなさん気持ちよさにハマるようです。

2-2. 直接灸(有痕灸)

「直接灸(有痕灸)」とは、もぐさを肌に直接のせて線香で火をつける方法です。
こちらも以下の4タイプがあります。

・点灸:米粒大のもぐさをのせるもの
・糸状灸:細い糸状にもぐさをひねって行うもの
・透熱灸:いろいろな大きさにもぐさをひねって行うもの
・打膿灸:もぐさを焼き切って、あえて化膿させるもの

いずれももぐさが肌から落ちないように、先に軟膏をつけてからお灸をのせます。
じかに火のついたもぐさが肌に触れるので、場合によってはあとが残ることもあり、セルフで行う人は少ないと思います。

当院では、「点灸」と「糸状灸」を行っていますので、それを中心に説明しましょう。

2-2-1.点灸

「点灸」は、米粒大くらいの大きさのもぐさを皮膚にのせる方法です。
 火をつけて、熱さを感じたらとるようにします。
実際に行っている様子を動画でごらんください。

小さい粒でお灸をすえるので、ピンポイントでツボを刺激することができるのが特徴です。
ただ、あとが残る恐れがあるので、注意が必要な方法といえます。

2-2-2. 糸状灸

「糸状灸」は、もぐさを細くひねって糸状にしたもの肌にのせ、線香で火をつける方法です。 
以下の写真のように行います。

image → image

(もぐさ見えますか?)

線香で火をつけたら、燃え尽きるまで放置します。
といっても、小さいので一瞬で燃えきりますし、あとも残りません。

こちらも動画を見てください。

当院では、肌トラブルのある方に、自宅で糸状灸をしてもらうよう、やり方をお教えしています。  

2-2-3. 透熱灸

「透熱灸」は、もぐさを米粒より少し大きい粒や、ゴマ粒程度などいろいろな大きさにひねって、肌に直接のせる方法です。
点灸と同じように、ピンポイントでツボを刺激できるのが特徴です。

もぐさが焼ききれるまで燃やすのが本来のやり方ですが、やけどをする恐れがあるので、焼ききる前にやめる場合もあります。

2-2-4.打膿灸

「打膿灸(だのうきゅう)」は、親指大の大きなもぐさを肌に直接のせる方法です。
強い熱であえてやけどをつくり、化膿させることで、からだから悪いものを出し、免疫力を高めて自然治癒力を引き出します。

ただ、やけどのあとが残るため、現在は行われることが少ないようです。

まとめ

いかがでしたか?
今回はお灸について説明しました。

わたしたち鍼灸師は、直接灸と間接灸を症状によって使い分けています。
みなさんもその違いを知って、ときにはセルフで、ときには鍼灸院で、最適なお灸を利用してください。