【体験談】不眠解消におすすめの漢方薬は?!眠れない原因、入眠法も紹介

「疲れているのに、なかなか眠れなくて困っている」
「睡眠導入剤が効かないんだけれど、不眠に効く漢方薬ってあるの?」

そんな悩みを持っている方、多いですよね。

こんにちは、東京日本橋の鍼灸治療室クリスタ 院長のかとうようこです。

不眠に悩む方は、安眠効果が期待できる漢方薬がありますので、ぜひ試してみてください。

ただ、不眠といってもいろいろなタイプがありますので、それによって適した漢方薬は異なります。
たとえば以下のようなものです。

【不眠のタイプ別・適した漢方薬】

不眠のタイプ適した漢方薬
神経過敏で眠れない・抑肝散(よくかんさん)
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
・加味逍遙散(かみしょうようさん) など
寝つきが悪い・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
・加味逍遙散(かみしょうようさん) など
眠りが浅い・加味帰脾湯(かみきひとう)
・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
・酸棗仁湯(さんそうにんとう) など

かくいうわたしも、更年期から10年以上の長きにわたって不眠とつきあっています。
西洋医学の睡眠薬もいろいろ試しましたが、結果からいえば「抑肝散(よくかんさん)」という漢方薬によって、スムーズに眠れるようになりました。

そこでこの記事では、不眠に悩むあなたに向けて、わたしの東洋医学の知見と実体験に西洋医学の視点も加えて、よい改善法をお伝えしていきましょう。

◎不眠解消に漢方薬は効果あり?
◎【タイプ別】不眠解消が期待できる漢方薬
◎不眠の原因(一般的な原因/東洋医学における原因)
◎漢方薬以外で不眠を改善する方法
◎【体験談】わたしが安眠を手に入れるまで:薬の遍歴

不眠解消に役立つ漢方薬、方法は人それぞれです。
この記事で、あなたが自分に合った安眠法を見つけられるよう願っています!

【目次】

1.不眠解消に漢方薬は効果あり?

「不眠で悩んでいるけれど、睡眠導入剤はあまり使いたくないなぁ」
「漢方薬や東洋医学で、眠れるようにならないかな?」

そんなふうに考えているあなたにお答えします。

不眠改善に、効果が期待できる漢方薬はあります!

実際にわたしは、更年期になってから10年以上不眠で、さまざまな睡眠薬を服用してきましたが、「抑肝散(よくかんさん)」という漢方薬を使い始めてからは、かなりスムーズに眠れるようになりました。

この体験談はのちほどくわしくお話ししますが、この「抑肝散」以外にも、不眠に悩む人向けの漢方薬はいくつかあります。
不眠の原因や症状によって、適した漢方薬は異なりますので、自分に合ったものをぜひ飲んでみてください。

2.【タイプ別】不眠解消が期待できる漢方薬

では、不眠解消の効果が期待できる漢方薬をご紹介しましょう。

どんなふうに眠れないのか、不眠のタイプとそれぞれに適した漢方薬をまとめましたので、以下を見てください。

【不眠のタイプ別・適した漢方薬】

不眠のタイプ症状適した漢方薬
神経過敏で眠れない・神経過敏で気持ちがたかぶる
・イライラする
・ストレスや緊張を感じる
・抑肝散(よくかんさん)
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
・加味逍遙散(かみしょうようさん) など
寝つきが悪い・ふとんに入ってもなかなか入眠できない
・寝たいのに目がさえる
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
・加味逍遙散(かみしょうようさん) など
眠りが浅い・眠っても途中で何度も起きてしまう
・ちょっとした音や刺激で目がさめる
・早朝に目覚めてそのまま眠れない
・加味帰脾湯(かみきひとう)
・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
・酸棗仁湯(さんそうにんとう)など

では、それぞれの漢方薬について説明しましょう。

2-1.抑肝散(よくかんさん)

抑肝散
含まれる生薬・当帰(トウキ)
・釣藤鈎(チョウトウコウ)
・川芎(センキュウ)
・茯苓(ブクリョウ)
・柴胡(サイコ)
・甘草(カンゾウ) など
適応する症状体力が中程度または虚弱で、神経がたかぶりやすい人の以下の症状
・神経症
・不眠症
・小児夜泣き
・小児疳症(神経過敏)
・更年期障害   など
向いている人・ストレスや緊張で眠れなくなる人
・気持ちがアップダウンしやすい人

「抑肝散(よくかんさん)」は、神経がたかぶって眠れない、イライラしやすい、眠りが浅い、歯ぎしりするといったタイプの不眠に効果が期待できる漢方薬です。
また、眼科では眼瞼痙攣のときにも使われ、筋肉のけいれんやこわばりをとるのが上手な薬と言えるでしょう。

わたしが現在服用しているのも、この「抑肝散」です・

ちなみに中国では、どちらかというと子ども用のお薬とされています。
わたしの鍼灸治療室に来ている患者さんの中にも、服用しているお子さんがいます。
(ADHD児には、比較的服用している子どもが多いです。)

最近は認知症によって引き起こされる不眠や徘徊、妄想、暴言・暴力などにも効果があるとして、処方されることも増えているものです。

2-2.抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

抑肝散加陳皮半夏
含まれる生薬・陳皮(チンピ)
・半夏(ハンゲ)
・当帰(トウキ)
・釣藤鈎(チョウトウコウ)
・川芎(センキュウ)
・茯苓(ブクリョウ)
・柴胡(サイコ)
・甘草(カンゾウ) など
適応する症状虚弱な体質で、神経がたかぶりやすい人の以下の症状
・神経症
・不眠症
・小児夜泣き
・小児疳症(神経過敏)
・更年期神経症
・高血圧による神経症状 など
向いている人・ストレスや緊張で眠れなくなる人
・気持ちがアップダウンしやすい人
・胃腸など消化器系が弱い人

「抑肝散加陳皮半夏」は、「抑肝散」に「陳皮(チンピ)」と「半夏(ハンゲ)」がプラスされた漢方薬です。

適応症としては、抑肝散とほぼ同じですが、胃腸を整える「陳皮」と「半夏」が加えられているので、消化器系が弱い人にはこちらのほうが向いているでしょう。

2-3. 加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散
含まれる生薬・当帰(トウキ)
・芍薬(シャクヤク)
・茯苓(ブクリョウ)
・柴胡(サイコ)
・牡丹皮(ボタンピ)
・山梔子(サンシシ)
・甘草(カンゾウ)
・生姜(ショウキョウ)
・薄荷(ハッカ) など
適応する症状体質が虚弱な女性で、肩こり、疲れやすさ、精神の不安などの精神神経症状がある人、便秘がちな人の以下の症状
・冷え症
・虚弱体質
・月経不順
・月経困難
・更年期障害  など
向いている人・ホルモンバランスの乱れでイライラや不安を感じて眠れない人
・心身のあちこちに不調が出る人
・日によって症状に差がある人
・眠りが浅い人
・冷え症で眠れない人

「加味逍遙散」は、女性に用いられることが多い漢方薬です。

更年期や生理不順などホルモンバランスの乱れがあって、精神的に不安定で眠れない人や、疲れやすいのに熟睡できない人に効果が期待できます。
また、「あちこちに不調が出る」「日によって症状に差がある」というお悩みがある人にも向いているでしょう。

「血」のめぐりをよくするので、冷え症がつらくて眠れないという人にも適しています。

2-4.柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

柴胡加竜骨牡蛎湯
含まれる生薬・柴胡(サイコ)
・半夏(ハンゲ)
・茯苓(ブクリョウ)
・桂皮(ケイヒ)
・黄芩(オウゴン)
・大棗(タイソウ)
・生姜(ショウキョウ)
・人参(ニンジン)
・竜骨(リュウコツ)
・牡蛎(ボレイ)
・大黄(ダイオウ) など
適応する症状精神不安があり、動悸、不眠などをともなう人の以下の症状
・高血圧による動悸、不安、不眠
・神経症
・更年期神経症
・小児夜泣き  など
向いている人・神経質で、不安やストレスを感じやすい人
・眠ろうとしても気持ちが落ち着かず寝つけない人

「柴胡加竜骨牡蛎湯」は、精神的に不安やストレスを感じていて眠れないという人に効果が期待できる漢方薬です。

「気」のめぐりをよくして、からだの熱を冷まし、気持ちをおだやかに落ち着かせてくれます。
「眠ろうとするといろいろ考えてしまって寝つけない」という人などに適した薬と言えるでしょう。

2-5.黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

黄連解毒湯
含まれる生薬・黄連(オウレン)
・黄柏(オウバク)
・黄芩(オウゴン)
・山梔子(サンシシ)
適応する症状比較的体力があって、のぼせ気味、顔色が赤い、イライラしがちな人の以下の症状
・鼻出血
・高血圧
・不眠症
・ノイローゼ
・胃炎
・二日酔
・血の道症
・めまい
・動悸
・湿疹、皮膚炎
・皮膚瘙痒症  など
向いている人・のぼせたりイライラしたりしやすい人
・眠りたくても興奮がおさまらず眠れない人

「黄連解毒湯」は、からだにこもった熱を冷ましてくれる漢方薬です。
のぼせたり顔がほてったりする人、イライラしやすい人の不眠に効果が期待できます。

眠ろうとしても頭がさえてしまう、興奮状態が続いて入眠できない、という場合に、興奮をしずめて眠りやすくなるでしょう。

2-6.加味帰脾湯(かみひきひとう)

加味帰脾湯
含まれる生薬・人参(ニンジン)
・茯苓(ブクリョウ)
・黄耆(オウギ)
・当帰(トウキ)
・遠志(オンジ)
・柴胡(サイコ)
・山梔子(サンシシ)
・甘草(カンゾウ)
・木香(モッコウ)
・大棗(タイソウ)
・生姜(ショウキョウ)
・酸棗仁(サンソウニン)
・龍眼肉(リュウガンニク) など
適応する症状虚弱体質で、血色が悪い人の以下の症状
・貧血
・不眠症
・精神不安
・神経症  など
向いている人・不安になったりくよくよ悩んだりしがちで眠れない人
・疲れやすいのに眠れない人

「加味帰脾湯」は、不眠や精神不安などに用いられる「帰脾湯(きひとう)」に、消炎・鎮静作用のある「柴胡(サイコ)」と「山梔子(サンシシ)」を加えた漢方薬です。
「血」を増やすことで疲れを回復させ、心身のバランスを整えて眠りやすくする効果が期待できます。

精神不安や神経症などにも用いられるので、いろいろなことで悩みがち、くよくよしがちで眠れないという人に向いているでしょう。

2-7.桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

桂枝加竜骨牡蛎湯
含まれる生薬・桂皮(ケイヒ)
・芍薬(シャクヤク)
・大棗(タイソウ)
・生姜(ショウキョウ)
・甘草(カンゾウ)
・竜骨(リュウコツ)
・牡蠣(ボレイ)  など
適応する症状虚弱体質で疲れやすく、興奮しやすい人の以下の症状
・神経質
・不眠症
・小児夜泣き
・小児夜尿症
・眼精疲労  など
向いている人・周囲の音や光などが気になって眠れない人
・眠りが浅く、ささいな刺激で目が覚めてしまう人

「桂枝加竜骨牡蛎湯」は、「気」や「血」を補って乱れた自律神経を整える漢方薬です。

不安やストレスなどで神経質になってしまう人に、神経の興奮をしずめて心を安定させる効果が期待できます。
精神的な不安感や悩みはもちろん、まわりの音などささいなことが気になって眠れない人、眠りが浅くすぐ起きてしまう人などに適していると言えるでしょう。

寝つきが悪い(=入眠障害)ときにもよく使われますが、「柴胡加竜骨牡蠣」よりも体力がない人向けです。

2-8.酸棗仁湯(さんそうにんとう)

酸棗仁湯
含まれる生薬・酸棗仁(サンソウニン)
・知母(チモ)
・川芎(センキュウ)
・茯苓(ブクリョウ)
・甘草(カンゾウ)  など
適応する症状体力中等度以下で、心身が疲れて精神不安や不眠などがある人の以下の症状
・不眠症
・神経症  など
向いている人・心身が疲れているのに眠れない人
・眠りが浅く、熟睡できない人

「酸棗仁湯」は、体力が落ちて心やからだが疲れてしまっているのに眠れない、という人に効果が期待できる漢方薬です。

人は「気=エネルギー」が足りない(東洋医学で「気虚」と言います)と、自律神経のバランスが乱れてさまざまな不調をきたします。
不眠もそのひとつで、眠りが浅くなったり寝つけなくなったりするのです。

「酸棗仁湯」は、この「気」を整える作用があるとされています。
「疲れているのに、むしろ目がさえてしまって眠れない」「寝ても熟睡できない」といった人に向いている薬だと言えるでしょう。

また、ここで挙げた以外にも、不眠の原因に応じて適した漢方薬はあります。
ぜひ一度、漢方医など専門家に相談して、自分に合った薬を見つけてください。

3.不眠の原因

さて、不眠解消の効果が期待できる漢方薬について説明しましたが、そもそも人はなぜ不眠になるのでしょうか?
ここであらためて、その原因を考えてみましょう。

3-1.一般的な不眠の原因4つ

一般的に考えられる不眠の原因としては、主に以下の4つが挙げられます。

・心理的なストレス
・生活習慣の変化や乱れ
・身体的な不調
・ホルモンの変化

3-1-1.心理的なストレス

悩みごとがあったり、仕事や人間関係でストレスを感じたりすると、不眠になる場合があります。
いろいろ考え込んでしまって心が休まらないため、リラックスして眠りにつくことができないのです。

また女性の場合、特に更年期になると、子育てや仕事、老後の生活などさまざまなストレス要因が重なってきます。
そのため不安感や抑うつが引き起こされ、睡眠の質を低下させることがあるでしょう。

3-1-2.生活習慣の変化や乱れ

生活習慣も、不眠の原因になります。

たとえば勤務先を異動して起床時間や通勤時間が変わったり、シフト勤務や夜勤などで生活リズムが乱れたりすると、体内時計が狂ってしまい眠れなくなるかもしれません。
また、まわりに気になる騒音があったり、寝る前にスマートフォンを見ていて脳が興奮していたりと、リラックスできない環境だと眠りに入りづらいでしょう。

さらに、加齢にともなって運動量が減少したり、食生活が不規則になったりすることも不眠につながります。
特に、カフェインやアルコールの摂取は、睡眠に悪影響を与えることがあるので要注意です。

3-1-3.身体的な不調

体調不良や病気が原因の不眠もあります。

代表的なのは、睡眠時無呼吸症候群でしょう。
睡眠中にたびたび呼吸が止まってしまう病気で、眠りが浅くなったり、途中で目が覚めてしまったりします。
また、高血圧や糖尿病、冷え症やほてりなどで寝つけないケースもあります。

特に更年期になると、ホットフラッシュ(ほてり)や発汗、心拍数の増加などの身体的な症状が現れることが多くなります。
これらの症状によって、夜間に目が覚めてしまい、深い眠りを妨げるケースもよくあるでしょう。

3-1-4.ホルモンの変化

さらに、更年期の人の場合は、ホルモンの変化が不眠を引き起こすことも考えられます。

更年期に入ると、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌が減少しますが、これが睡眠の質に大きな影響を与えることが知られているのです。
特にエストロゲンは、睡眠の調節に関与しているので、その減少が不眠を引き起こす要因となります。

3-2.東洋医学における不眠の原因

一方で、東洋医学では、不眠には「血」の状態が深く関わっていると言われています。

人間のからだは「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3要素から成っているというのが、東洋医学の考え方です。
「気」は人が生きるためのエネルギー、「血」はからだをめぐる血液とそれによって運ばれる栄養分、「水」は「血」以外の体内の液体を指します。

この「血」が不足すると、よく眠れなかったり眠りが浅くなったりと不眠の症状を引き起こすのです。
そのため、不眠を解消するには足りない「血」を補い、「気・血・水」のバランスを整える必要があるでしょう。

「血」を補う方法としては、以下のようなものがあります。

「血」を補う方法具体例
食事でとる・「血」を補う食材:レバー、黒ごま、ほうれん草 など
・「血」をめぐらせる食材:青魚、たまねぎ など
漢方薬を飲む・「血」を補う生薬:当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、地黄(ジオウ) など
生活習慣を変える・ストレスを解消する
・軽い運動をして血行をよくする など

漢方薬とあわせて、食事や生活習慣の改善もしてみてください。

4.漢方薬以外で不眠を改善する方法

2章では、不眠解消に効果が期待できる漢方薬をくわしく紹介しました。
ただ、前章でも触れたように、眠りを改善するには漢方薬以外の方法もいろいろあります。
そこでこの章では、わたしがおすすめする不眠改善の方法をご紹介しましょう。

・自然の音を流す
・ホットミルクや葛湯を飲む
・ふとんの上に少し重さを乗せる

4-1.自然の音を流す

波の音や川の流れ、風のそよぎなど、自然界にある音を聞いていると、人は眠りやすくなります。
というのも、このような「環境音」には「1/fゆらぎ」と呼ばれるゆらぎがあって、これが心とからだをリラックスさせてくれるからです。

そこで、眠れない夜にはこのような自然の音を流してみましょう。
環境音のCDがたくさん出ていますし、インターネットで検索すれば、「風の音」「雨音」「川のせせらぎ」などさまざまな音をスマホで流すことができます。

やさしい音量で環境音を流せば、ぐるぐる頭の中をめぐっていた悩みごとや不安も音に乗って流されていき、心おだやかに眠りにつけるでしょう。

4-2.ホットミルクやくず湯を飲む

あたたかい飲み物を口にするのもいいでしょう。
たとえば、ホットミルクやくず湯などがおすすめです。

からだがあたたまってリラックスするのはもちろんですが、これには脳を「おやすみモード」に切り替えるスイッチの役割もあります。
無理に眠ろうとするのではなく、「これで今日は終わり、もう休んでいいよ」と心とからだに教えてあげるサインになるのです。

以下に簡単レシピをご紹介しますので、おやすみ前にマグカップの湯気を見つめながら、ゆっくり飲んでみてください。


【はちみつホットミルクのつくり方】

<材料>

・牛乳:200cc
・はちみつ:小さじ1

<つくり方>

1)耐熱のマグカップに牛乳とはちみつを入れて軽く混ぜる
2)電子レンジ500wで1分50秒ほどあたためる  ※600wの場合は1分20秒程度
3)レンジから取り出し、もう一度軽く混ぜたらできあがり



【簡単くず湯のつくり方】

<材料>

・くず粉:大さじ1
・黒糖:小さじ1
 ※または、ショウガ汁:小さじ1
・熱湯:150cc

<つくり方>

1)マグカップにくず粉と黒糖を入れ、ぬるま湯を少し注いで混ぜる
  ※先に練っておくとダマになりません。
  ※ショウガの場合は、ここではまだ入れません。
2)残りの熱湯を注ぎ、スプーンで混ぜる
3)透明になったらできあがり
  ※ショウガの場合は、ここで入れます。
  ※透明にならない場合は、レンジで10秒ずつ加熱して混ぜてください。


4-3.ふとんの上に少し重さを乗せる 

意外な方法としては、ふとんの上に少し重さを加えるのもおすすめです。
たとえばタオルケットを1枚余分にかける、クッションを乗せる、あるいはネコでもいいでしょう。

いつもより少し重みが増すと、抱きしめられているような安心感が生まれるため、気持ちが落ち着いて不思議と眠りやすくなります。
簡単な方法なので、ぜひ一度試してみてください。

5.【体験談】わたしが安眠を手に入れるまで:薬の遍歴

ここまで、不眠への対処法を、漢方薬を中心に考えてきましたが、最後にわたしの体験談をお伝えしておきましょう。

わたしも、更年期になって以来10年以上不眠に悩まされていましたが、最近は「抑肝散」を服用するようになってだいぶスムーズに眠れるようになってきました。
ただ、それまではいろいろな薬を試してきましたので、その遍歴と、漢方薬を使ってみての実感などをお話しします。

5-1.更年期で不眠に

更年期に入ったころから、不眠に悩まされるようになりました。
ホルモンバランスの変化により、夜眠れずに朝まで起きていることが多く、日中は疲れが抜けずに集中力も低下していました。

もともと聴覚に過敏なところがあるので、寝入りばなのちょっとした物音でカッと目が冴えてしまうタイプ。
完全な入眠障害です。

ふっと眠りに落ちそうになったときに物音がすると、脳が完全に覚醒してしまい、余計なことを色々考えはじめてしまう。
そうこうしているうちに、新聞配達のバイクの音がしてあせる。
眠れないまま外は明るくなり、気がつけば一睡もできないことがザラにありました。

睡眠不足がいちばんからだにこたえるタイプなので、本当につらかったです。

再婚を機に引越しして、通勤時間が1時間近くになったことで、睡眠障害はひどくなりました。
いろいろ支障がでるのがイヤで、仕事の前日だけ薬を飲むことを許可(自分に)したのが7年位前。

その後は、「眠れないよりいいや」と開き直り、毎日服薬するように……ここ数年は、すっかり眠剤のお世話になっていました。

5-2.これまで使ってきた薬

最初に睡眠薬を使ったのは、40代半ばのころでした。

海外から帰国して眠りが乱れたときに、

・ハルシオン(トリアゾラム)
・アモバン

のどちらかを処方してもらい、眠りのリズムが戻ったらサクッとやめていました。

アモバンは口の中がとても苦くなるので、ハルシオンが多かったと思いますが、当時は0.25㎎の錠剤を半分にわって飲むだけで十分。
ほどよく眠りにつけて体力が回復、睡眠不足による吐き気もなくなりました。

ただ、更年期症状が出始めると、朝まで眠れない日が続くようになったのです。
同時に大きなストレスも抱えていたので、50代のはじめには、ハルシオンの服用を再開しました。
とはいえ、毎日飲むこともなく仕事の前日に服用したりしなかったり、容量もかわらず半錠(0.125㎎)です。

ちょうどこのころ、改めて薬膳の学校に通い始め、すっかり存在を忘れていた漢方薬に再会しました。
そこで、 50代半ばからは眠剤と漢方の両方を使って、日によって飲み方を変えるようになります。 

ところが57歳のとき、引っ越しで通勤時間が増えたのをきっかけに、不眠が一気に悪化しました。
仕事の前日はまったく眠れなくなり、薬を常用することに。
漢方で寝つけないと、午前2時くらいに眠剤を飲む……そんな暮らしが続くうち、薬を処方してもらう回数も増えてきました。
(それまでは3か月に1回くらい)

「認知機能が落ちやすいから、今の薬を変えたほうがいい」といわれ、ハルシオンから「マイスリー(ゾルビデム)」に変更しました。 
5㎎を半分にして服用。

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漢方は、「桂枝加芍薬湯」「桂枝加竜骨牡蛎湯」の2種類を日によって使いわけていました。

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そして、60歳になるころから、毎日の服用が習慣化。
寝る前に飲むことが、すっかり普通になっていました。

5-3.「抑肝散」でスムーズな眠りに

そんな中、先日母のかかりつけ医に睡眠薬の相談をしたところ、

「現在飲んでいる薬は、10年以上前にはいちばんいいと言われていたもの。
いまは認知症のリスクがより低いものができています」

と言われたのです。

先生曰く、「50歳60歳から眠剤を飲むのは、脳の活動をわざと落として認知症のリスクをあげることになる。人生100年時代だから、僕は基本的に睡眠薬は処方しないんです」とのこと。

たしかに我が家は長生き家系なので、認知症は切実な問題です。

そこで、「いま使っている漢方は安全だから、それは継続でいいでしょう。眠剤のほうは、急にやめるのもしんどいから、とりあえず新しい薬を試してみましょう」という先生の言葉で、この薬をいただきました。

・デエビゴ
・抑肝散

先生のこのお話が妙に腹に落ちて、「睡眠薬やめよう」という気持ちになりました。

どうしてもダメなときは、あきらめて飲んでいい。
だけど、いまのわたしは服用することに慣れすぎて、頼りっきりになってしまっている。

それもどうなの? と、なんだかものすごく素直に反省でき、その日の夜から眠剤を使うことを止めました。
さいわい、この「抑肝散」がわたしに合って、最近ではスムーズに眠れるようになっています。

5-4.「抑肝散」と「抑肝散加陳皮半夏」を使ってみて

わたしは「抑肝散」だけでなく、「抑肝散加陳皮半夏」も使ってみて、その結果前者に落ち着きました。
そこで、実際に使った感想もお伝えしておきます。

あくまでも個人的に、両方試してみて感じたことです。
わたしは「抑肝散加陳皮半夏」単独ではまったく寝つけず、眠剤の補助的なものとして飲んでいました。
が、正直あまり眠りの助けになっているという実感はもてませんでした。

わたしには「抑肝散」のほうがあっていたのです。
その理由について、所属している漢方のオープンチャットで資料をみつけて「なるほど!』と納得しました。

攻撃性が高い症例では、抑肝散がより推奨されると考えられます。攻撃性というのは、典型的にはBPSDの陽性症状(暴言や不穏など)ですがそれだけでなく、噛みしめ(ブラキシズム)や眼瞼ミオキミアといった筋肉に現れる症状も含まれる可能性が考えられます。

抑肝散の方が攻撃行動の回数は少ない傾向がみられました。なお、このメカニズムとして、釣藤鈎に含まれるガイソシジンメチルエーテルが血液脳関門を通過して前頭葉の5-HT1A受容体に結合し、アセチルコリン放出を増加させることが推察されています。

出典:平岸ペインクリニック「抑肝散と抑肝散加陳皮半夏」 

わたしのタイプだと、

・脳内わさわさ
・音に敏感
・かみしめ強い
・筋肉の緊張度高い


ですので、「抑肝散」のほうが合っているということになります。
これは自身の体感と等しいもので、いろいろと納得できました!
「抑肝散」、いい仕事してくれています。

まとめ

いかがでしたか?
不眠改善について、いい方法が見つかったのではないでしょうか。
あらためて今回のポイントをまとめておきましょう。

◎不眠改善に、効果が期待できる漢方薬はさまざまある

◎不眠のタイプ別に適した漢方薬は、

不眠のタイプ症状適した漢方薬
神経過敏で眠れない・神経過敏で気持ちがたかぶる
・イライラする
・ストレスや緊張を感じる
・抑肝散(よくかんさん)
・抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
・加味逍遙散(かみしょうようさん) など
寝つきが悪い・ふとんに入ってもなかなか入眠できない
・寝たいのに目がさえる
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
・加味逍遙散(かみしょうようさん) など
眠りが浅い・眠っても途中で何度も起きてしまう
・ちょっとした音や刺激で目がさめる
・早朝に目覚めてそのまま眠れない
・加味帰脾湯(かみきひとう)
・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
・酸棗仁湯(さんそうにんとう)など

◎不眠の原因は、
<一般的な原因>
・心理的なストレス
・生活習慣の変化や乱れ
・身体的な不調
・ホルモンの変化
<東洋医学での考え方>
・「血」が不足している

◎漢方以外で不眠を改善する方法は、
・自然の音を流す
・ホットミルクや葛湯を飲む
・ふとんの上に少し重さを乗せる

ご紹介した漢方薬や対処法を用いて、あなたがぐっすり安眠できるよう願っています!